swelog ニュースで語るスウェーデン

スウェーデンの気になるニュースを毎日伝えるブログです

映画で健康に

スウェーデンの職場には健康管理手当(Friskvårdsbidrag)と呼ばれる制度があって、雇用主は従業員の満足度と健康促進のために、ジムやヨガの会員費やマッサージ費用などに一人あたり年間最大5000クローナ(約6万2000円)までを非課税で提供することができる。

この手当を出すかださないか、まだ出すとすればどれくらい出すかのは、個々の雇用主に委ねられているが、これまで私が働いてきた職場では多かれ少なかれいつもこの制度が運用されていて、その恩恵を得てきた。

今週、スウェーデンの映画興行主を取りまとめる組織は、映画館での映画鑑賞をこの健康管理手当の対象として含めるべきだとの提案を取りまとめた。健康手当制度は「健康」についての考え方を拡大する必要があり、文化的体験を他の人と一緒にしたり、映画を通じて感情を理解し、また表現することは、人々の心身の健康に対してポジティブな働きをすると捉え、映画鑑賞は手当の対象として認められるべきだと訴えた。

EUはすでにCulture for Healthというプロジェクトで、様々な形態の文化が人々の健康や貢献度にポジティブな影響を与えることを示す300の調査研究をまとめており、今回の提案はこの調査結果にも言及したもの。

スウェーデンでの映画館の入場者数は2019年の1590万人から、コロナ禍やストリーミングサービスのビジネス拡大を受けて、2022年には1040万人にまで減少しており、映画興行主にとっては厳しい時代となっている。しかし、この提案が受け入れられるのは、難しそうな気もする。ただ、ソファでストリーミングサービスばかり見ている人には、映画館にわざわざ出かけていくだけで、運動になってよさそうである。

パンデミックでルンドの小さな映画館の経営が苦しくなった時に、寄付すると好きな座席にネームプレートをつけてくれるという企画があって、今ではその映画館に私の名前のついた席がある(名前がついているだけで、いつもその席に座れるとかではない)。こういうのがあるとちょっと嬉しいし、映画館まではいつも歩いていくので、私にとっては映画館に行くことは健康増進にかなり貢献している。2時間ちゃんと椅子に座っているだけでも筋トレだし😉

新提案・映画館に行くのは健康管理手当に含まれるべき・SVT)

© Hiromi Blomberg 2023