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後々まで続く仕事上のストレスの影響。そして自己裁量権

ネガティブなストレスは健康上よくないことは広く理解されているが、この度ヨンショーピング大学でまとめられた職業環境医学に関する研究結果では、働いている間に受けたストレスの悪影響は、人生のずっと後まで残ることがわかった。この研究は40年以上に渡り続けられており、職場でのストレスが高いと、その後の人生で記憶力の低下や、通常の日常生活を送る能力が低下する可能性を高める。

一般的には仕事があるということは健康的な生活のための重要な一要素だが、その仕事に対する自己裁量権が低かったり慢性的に時間に追われているような状態で働いていると有害なストレスとなり、それは働くことをやめてしまった後の人生にも影響を及ぼす。この研究では仕事に対して自分でコントロール力や影響力が低い人の間では、認知や身体的機能が60%近く落ちるという結果がでた。

自分のことを自分で決めることができるというパワーが、どれほどストレスを低くするかというのは、小さなことだけど、スウェーデンに来てからは毎朝実感している。私が働いてきた職場では、毎日勤務開始時刻を一定の範囲内で自分で決めることができたし、ほとんどが徒歩や自転車での通勤だったので、電車やバスの時刻に合わせる必要もなく、通勤時のストレスとは無縁だった。ついでにいうと通勤路には信号すらないので、赤信号待ちでイライラすることすらない😅

仕事は、人からやらされていると感じる時はどんなに些細なタスクでも重荷だが、仕事量がどんなに多くても、自分でやり方を決めることができる場合は、楽しいしやりがいも感じる(でも一番仕事が面白いと感じていた時は、身体的なストレスがきつかったのか、知らない間に500円玉くらいの円形脱毛症になったことがあり、それから働き方を変えたことを今思い出した)。

このストレスに関する一連のレポートでは、コロナ禍では低水準に抑えられていたストレス要因の病欠者数が、この2年でまた増えてきていることも伝えていて、またこのタイプの病欠者は圧倒的に女性の方が多い。

仕事上や人生上の自己裁量権、決定権を持つことは私にとってはとても重要だし、それは自分で給与を稼ぐという経済的な独立性と深く結びついていると常々考えてきたけれど、日本の多くの専業主婦の方たちが問題なく暮らしているように見えるのは、家庭内での自己裁量権が結構高いということだろうか? すみません、ちょっと脱線しました。

仕事上のストレスは、その後の人生での健康状態にも影響を及ぼす(SVT)

ストレスカウンセラー談「大半が働く女性」(SVT)

© Hiromi Blomberg 2023