病気になった子どもの看護するために休んでも給与保障のあるVABと呼ばれるスウェーデンの社会保障制度。毎年風邪やインフルエンザが流行する2月に一番増えるので、2月はFebruariではなくてVabruariと呼ばれるほど、浸透している。
オミクロンで子どもたちにも感染が広がる中、VAB休暇を取る人も増えていたが、もっと増えていたのはVOBする人。これは家で病気の子どもの面倒を見ながら、休暇はとらず、リモートワークを続ける親たちをさす。
労働組合のUnionenが行った調査によると、子どもが病気になった親の2人に1人は、VABではなくてVobbaすることを選んでいる。Unionenの代表は「VOBすることで働きやすくなることもある。但し、子どもが病気の時は休むことができるのだから、Vobbaする選択は常に自発的なもので、強制されるものであってはならない」と説明する。多くの職場ではVOBに関してのルーティンが確立していない状態だ。
新規感染者の数は増え続けるばかりで、金曜日には5万5千人を超えたが、検査から上がってくる数字はおそらく実際の感染者数よりも相当低く、実際は一日にスウェーデンの人口の1.5%にあたる15万人程度が毎日感染しているだろう、と見る専門家もいる。検査が追いついていないし、無症状の人も多いからだ。
爆発的に広がった感染はピークを迎えて、来たときと同じくらいの速さで収まっていくだろうと説明するのはカロリンスカ研究所のヨアキム・ディルネール教授。これから1〜2週間でピークを迎えると予想する。オミクロン感染で一歩先を行っていたデンマークでは、コロナによる行動規制がなくなった。スウェーデンもそうなるのはそんなに先の話ではないと見る。
今週末はストックホルムでは病欠やVAB休暇により、約半数の中長距離の電車の運行がキャンセルされるそうなので、お出かけの際にはご注意を。さらに全国的にすごい嵐も来ております。