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AI保護者

日本とスウェーデンの両方の国で中学教師として働いたことのある友人が、スウェーデンでの教職は自分の裁量部分も多く、その面でやりがいを感じるが、日本では誰でももっているような「先生」にたいするレスペクトのようなものがあまりないのが、時々つらいと話していたことがある。

もともとそういう状況だったところに、さらにスウェーデンでも先生の言動や自分の子どもの成績などにいろいろと文句をつけてくるモンスター・ペアレントは増えてきているように思う。

イェーブレ大学では教育課程で勉強する学生に、VRメガネとAI対応ソフトで、親との対面の際に教師がしばしば陥る難しい状況を疑似体験するトレーニングを開始した。VRメガネの中のAI保護者との会話は記録され、ソフトがその会話を評価し改善のためのヒントを提供する。

教師になりたいと勉強している時には、教育実習で生徒の対応はどのようなものになるのかはだいたいつかめるが、親とのインタラクションは働き始めてから直面することになるもので、その状況を大変に思う新米の先生は多いそうだ。これまではロールプレイ研修を行っていたところもあるのかもしれないが、相手がAIなら、確かに経験のない学生との知識の差は歴然だろうし、効果は高いのかもしれない。この先、AIのこんな使われ方はどんどん増えていくのでしょうね。

イェーブレ大学の教育過程では学生がやっかいなAI保護者と対面トレーニング(SVT)

© Hiromi Blomberg 2023