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コロナ禍で進む母国語デジタル学習相談

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スウェーデンでスウェーデン語を勉強し始めた時に、学校には教科を教えてくれる先生以外に学習や進路相談や、勉強以外の相談もできる係の人がいると教えてもらって驚いた覚えがある。

そんな学習相談、特に新しくやってきた移民などスウェーデン語での学習がおぼつかない生徒に、ビデオ会話を使って母国語でガイダンスを行うプロジェクトがコロナ禍の今、好評だ。

ブレーキング地方で目下30のコミューンが参加しているBIU Online(Blekinge Integrations och Utbildningscenter)は、EUから3000万クローナ(約3億8000万円)の予算を得て始まったプロジェクト。このセンターには今28人の担当者がいて、25ヶ国語でビデオミーティングを通した学習指導を行うことができる。

これまでは相談は対面で行われるという前提だったが、必要とされる各地の学校に担当者を派遣するには時間も費用もかかりすぎる。一方現在、基礎学校で学ぶ生徒のうち40万人が外国語としてスウェーデン語を学習しているという状況の中、生徒の母国語で学習の遅れを手助けする仕組みがこれまで以上に必要とされていた。

BIU Onlineのサポートがここまで普及した背景には、コロナ禍で誰もがビデオで人と話すことが当たり前になってきたという抵抗感の減少があるようだ。対面することでしか得られないものも多いが、まったくのゼロと比べるとデジタルなコンタクトが今果たす役割は本当に大きい。わたしも毎日気軽に京都の母の顔をFacetimeやLINEでみることができていなかったら、このコロナ禍をどうやって過ごしていたのだろうか?

ロネビューからデジタル担当官が生徒を指導。30のコミューンへ

© Hiromi Blomberg 2023