雨が少なく暑い日が続いていた5月から6月にかけて出された長期予報では、この夏は猛暑となる見込みで、また2018年と同程度の山火事のリスクがあるとされていたが、実際には雨が多く水害も多い、涼しい日が続いた今年のスウェーデンの夏。
スウェーデンの気候変動懐疑論者たちは「気象学者たちは今年の夏の予報さえできないのだから、50年後の気候がどう変化するなどわかるはずがない」と勢いづいている。
SVTの気象予報士、お天気ニルスさんが説明していくれたところによると、天気予報と気候変動予測では、投入されているリソースも使われているパラメータも大きく異なり、今年の夏の予報が外れたからと言って、それを気候変動の大きな流れと結びつけることは正しくないとのこと。普段から、あくまで私の感覚だけど、スウェーデンの天気予報は日本の天気予報と比べると、あんまり当たらない。いつかどこかで、このあたりは(特にスコーネは)予報するのが難しい土地柄と聞いた覚えもある。
猛暑がスウェーデンには来なくても、スウェーデン南部の気温が15度だった時に、スウェーデン北部やフィンランド全体の気温が30度程度まで上がっている天気図も見かけたりしたので、これはやっぱりなんだか変だよな、と思う。それに水害の激しさもかなりひどい。
それにスウェーデンだけ見ていたら確かにこの夏は暑くなかったけど、それでは南ヨーロッパや、日本を含む東アジアのあの暑さはどう説明すればいいのか? 2023年7月は、観測史上一番、暑い月だったということだし。
【追記・2023年8月24日】
8月19日付けのダーゲンス・ニュヘテルの記事で、なぜ今年の災害レベルの猛暑などは、人間が引き起こしたものと言えるかについて改めて取り上げていたので、リンクを張っておきます。