気候変動関連テクロノジーを開発するための資金がスウェーデンでは足りていないという記事を読んだ。
大きな注目を集めるノースボルトやH2グリーンスチールが記録的な額の資本を集める一方で、スタートアップからスケールアップしようとした段階で資本がつきて倒産していく会社が後を絶たない。つい最近は、日本でも注目を集めていたプレミアム電動バイクのCakeが倒産した。
Cakeの倒産によりスウェーデンの企業年金からの投資を含む7億2900万クローナが無駄になるリスクがある。同じモビリティ分野では、電動トラックのVoltaや電動モペットのVässlaも破産を申請した。
Cleantech Scandinaviaという団体のマグヌス・アーゲルストロムは、スタートアップへの投資制度が発達しているスウェーデンは、今新たな問題にぶつかっているのだと説明する。
「アプリやソフトウェアで環境問題を解決できると考えていた時代は過ぎ去り、今開発が進んでいるのは、水素やエネルギー貯蔵といった効果で重大な施設への投資が必要な領域。これまでの伝統的なベンチャーキャピタルはこの種の投資に必要な資金の余裕がなく、また銀行や機関投資はリスクの高さに手を焼いている」のだと言う。
スウェーデンのインキュベーター&サイエンスパークのSispは、今、スウェーデンのスタートアップとスケールアップ企業においてなにが問題であるかと、グリーンイノベーション向けの投資にもっと積極的なフランス、ドイツ、スペインなどの例を集めた報告書を取りまとめ、昨年の11月に政府に提出した。
ここでは例えば、ドイツは革新的なテクノロジー企業の成長期を支援するために、2030年までに100億ユーロを用意するフューチャーファンドを設立したことや、テクノロジー企業に向けたものだけではなく、投資家に対しても減税措置を設けている国もあることがあげられている
アーゲルストロムは、今の事態を打開するには北欧全体で公的資金と民間資本をミックスしたファンドの設立が望ましいと考えており、そのようなファンドに例えばスウェーデンの年金資金が参加すれば、他の国際的な投資家を引き付けるだろうという。
おお、ここでもまた、私が慎ましく積み立ててきた年金が話題となっている。私たちもこれからは「投資家」であることを意識して、このような年金資金がどこに運用されているか、もっっと注目したほうがよさそうである。
そして日本でだぶついている資金があるなら、スウェーデンに持ってきてはいかが?