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中央統計局の安物買いで数字がおかしい

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このブログでもよくお世話になっているスウェーデン中央統計局(SCB)は、人口動態から家計調査まで、スウェーデンのありとあらゆる統計を一手に引き受けている。民主主義で国を動かしていく以上、なぜこの政策をとるのかという数字にもとづく説明は重要で、SCBの果たす役割は大きい。

そのSCBの統計の中でも国の政策に大きく関わりるもっとも重要な統計の一つである雇用統計の数字が間違っていたとして、訂正される事件が昨年起こった。

2019年9月の失業率の数字が不適切であることが10月に説明され、その後信頼するにあたる数字が訂正発表された。

事件の背景には、調査インタビュー、統計にかかる費用を削減・効率化するためにSCBが実施した外部企業へのアウトソースがある。従来はSCBの職員が行っていたインタビューを、外部下請け会社(Evry)に出すことで費用削減と効率化を狙ったのだが、肝心の統計結果が信用のできないものになってしまった。

さらにErvyの調査は質問の仕方が誘導的であったりと、調査の品質管理も徹底していないことがテレビ局の取材からも明らかになっており、SCBは昨年末Ervyとの契約を打ち切っている。費用の面でも当初Ervyが見積もっていた範囲内で作業は完了せず、SCBは後に追加発注を強いられたりと、最終的に費用削減効果があったかどうかも疑わしい。

公共テレビ局SVTの最近の取材では、統計局の他の下請け業者の調査方法でもErvyと同じような問題が見つかっている。

こういう状況をなんていうんでしたっけ? 「ミイラ取りが...?」違うな...

あっ!「安物買いの銭失い」か! 

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© Hiromi Blomberg 2023