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広がった男女間賃金格差

新しいトレンドの兆候か? パンデミックの影響による一時的なものか? その背景にある要因はもう少し時を経てみないとわからないが、スウェーデンでは2017年以降で初めて、男女間の賃金格差が拡大した。比較する期間をもっと長くして、より長期的な視点で見ると、賃金格差は縮小し続けている。

毎年ジェンダー平等の視点から賃金分析を行っているスウェーデン調停局(Medlingsinstitut)によると、2021年は前年比で賃金格差が0.2%広がった。これがパンデミックによる一時的な影響なのか、それともジェンダー平等の取り組みが後退していることの現れなのかは、もう少し長い目でみてみないとわからない。2005年と2021年を比較すると男女間の賃金格差は6.4%縮小している。

昨年2021年の女性の平均月収は35,100クローナ(約47万1000円)で、これは男性の平均月収の39,000クローナ(約52万4000円)の90.1%にあたる。これを賃金格差は9.9%とし、そ格差が0.2%広がったとは、この数字が0.2増えたということを意味する。

9.9%の差に年齢や学歴、職業の差などの面から調整を行った上で再度比較しても、男女間による差としか説明できない4.5%の差異が残る。男女間賃金格差の拡大は、プライベートセクターで大きくなっているが、パンデミックによる人員削減の影響を大きく受けたのも民間企業で働く人たちである。調停局は、毎年行われる組合と雇用者連合の間での団体交渉が2020年は延期されたことも、今回の統計に影響を与えていると見ている。

 

スウェーデン調停局という役所の名前は初めて聞いたような気がするが、2000年に労働市場庁の管轄のもと作られたもので、同局のサイトによると、実効性の高い賃金体系の形成と促進、労働争議の調停や今回のような賃金統計を担当している機関だそう。

この局ができた背景には1990年代前半にスウェーデンで急激に失業率が悪化し、数年間間に50万人の雇用が失われたことがあり、それは、その前数十年間の高いインフレ率と高い賃金上昇率がスウェーデン経済全体に問題をおこしていたことに起因すると書かれている。1997年当時の政府は賃金交渉の原則、調停に関する規則、労働争議に関する法律を見直すために調査委員会を設置したのが、この調停局がつくられる基盤となったのだとか。

今朝は朝からいろいろ勉強してしまったぞ。

男女間賃金格差に変調・格差が拡大(SVT)

© Hiromi Blomberg 2022