Clearview AIはアメリカのスタートアップ企業。
フェイスブックやインスタグラムなどのSNSから集めた顔写真の膨大なデータベースを作成し、主に世界の警察など法執行機関などを顧客としてAIによる顔認識のサービスを提供している。
今年に入ってニューヨーク・タイムズがこのサービスの危険性などを報道していたが、先月BuzzFeedがClearviewの秘密の顧客リストを入手。そのなかにスウェーデンの国家機関の名前もあったことから、国家情報取扱監視局(Datainspektionen)が調査に乗り出した。
調査しているのはClearview AIのサービスの合法性ではなく、スウェーデンの法執行機関がこのサービスを使用することが、EUやスウェーデンの法律に触れないかどうかの点だ。
既にスウェーデン警察では、BuzzFeedの報道がでた時点で使用の合法性を内部で独自調査。法に触れる可能性があるとしてClearview AI使用を禁止する内部通達を出している。
デンマーク警察やインターポールは、Clearview AIは登録すると30日無料で使える試用版の提供を行っており、組織として契約していなくても、各警官がこの試用版に登録してしまったことで警察全体を「顧客」とし、Clearviewのマーケティングに使われているようだ、とコメントしている。
ニューヨーク・タイムズに掲載されているClearviewの営業用資料によれば、Clearviewの顔認識の正確さは98.6%。同資料に70%の正確さとして並べられているGoogleのフォトサービスで、顔写真に名前を入力しようかどうしようか悩んでいても、それはもう無意味なほど「私たちの顔は割れている」ようだ。