swelog 今日のスウェーデンのニュース

多様化社会、環境、移民、働き方などスウェーデンのちょっと違った「ほんまかいな!」なニュースから、毎日ひとつ選んで紹介しています

暴力と虐待に対抗するための新予算

f:id:hiromi_blomberg:20200503135818j:plain

スウェーデン政府がこれまで決定してきた、失業者や文化セクターまた企業に向けた給付や貸付、税金納付期限の延長などの主な対策は、政府のホームページ上の新型コロナウイルス向け対策一覧特設ページにわかりやすくまとめられている。

先週は金曜日のメーデーから始まる三連休の休暇を前に、社会庁からコロナ危機関連対策として新たに1億クローナ(約11億円)の予算が発表された。このお金はコロナ危機の陰で増大する家庭や身近な関係性の中で起こる暴力や抑圧に苦しむ人たちの状況を改善しサポートするために使われる。

具体的には、予算は家庭内暴力、児童虐待などの被害者をサポートする非営利組織の活動を強化するために使われる予定で、週明けにも各被害者支援団体は社会庁のホームページから補助金申請を行うことができる見込みだ。

スウェーデンの中学校までの子どもたちは健康であれば毎日学校に通うことができるものの、全国で失業者が増え続けるという不安定な経済状況のなか、家庭内暴力や児童虐待の状況はこれまで以上に深刻だ。

予算確定の記者会見で男女共同参画大臣のオーサ・リンドハーゲンが明らかにしたところでは、このコロナ危機の中、家庭内暴力被害者向けシェルターへの相談はどのシェルターでも30%から40%程度増加しており、スウェーデン南部に限定すると通報は約70%も増えている。

家庭内暴力に悩む女性が逃げ込める「場所」を提供してきた支援団体は、身体的な距離を取ることが必要となったコロナ危機の現状下でも、引き続きできるだけ多くの物理的シェルターを提供することを目指している。同時に、さらに進化したオンラインによる支援方法確立の必要があり、この課題にもすぐに取り組むことが求められている。

家庭内暴力、児童虐待に関してはスウェーデン警察もコメントを発表しており、隣近所で暴力を見かけたり泣き叫ぶ声が聞こえてきて、助けが必要な状態であると思った時は躊躇することなく警察に連絡してほしいと話していた。

私は暴力の気配や叫び声とこそは無縁の生活を送っているが、以前よりご近所さんとよく声を掛け合うようになった。

「どう調子は? なにか困ってない? 私にできることはない?」そんな簡単なことを2メートルのコロナ間隔を保ったまま出会った人と話すだけだが、これまでお互いシャイなスウェーデン人と日本人同士で「Hej!」の挨拶を交わす程度のご近所さんがほとんどだったのだから、これは私にとってはけっこう大きな変化だ。

コロナはご近所付き合いの密度もいつの間にか変えてしまっていた。

暴力被害者のための1億クローナ新予算が決定

暴力シェルターが状況悪化を警告「暴力被害者へ手を差し伸べることが難しくなっている」