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非成長時代の地方自治体のインフラの終い方

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北緯66度、もうあとほんのちょっとで北極圏な場所にあるスウェーデン最北に位置するヨックモック・コミューン。面積だけでいうとスウェーデンで2番めに大きいこのコミューンの人口は、この25年で39%も減った。最盛期には1万1千人ほどいた町の人口は、今は5千人を少し下回る程度。人口の減少が同じペースで進んでいくと、この先63年後には町は消滅する。

そんなヨックモックが現在取り組んでいるのは、1950年代、60年代の成長期に合わせて作られた町のインフラを取り壊していくこと。公園や集会所などコミューンの所有する場所は管理するのに費用がかかる。今取り組んでいる数千平方メートルに渡る建築物の取り壊しには一時的には多くの費用がかかるが、現在は高齢者に比重した人口構成で、この先も最盛期の規模に町の大きさは戻ることはないことから、もう必要のないインフラを整理することにした。

しかしこの過疎の町の社会民主党の市長さんは、状況はそんなに悪くないと話す。

「町の出生率と死亡率のバランスはこの先10年ほどで均衡がとれる見込みで、またこの広大な土地を利点としていくつかの企業の進出の予定もある。今は人口構成が高齢者に偏より過ぎていることで、住民の購買力も弱くつらい時期だが、町をこれからの時代にあわせることで切り盛りをしていく」と悲観的ではない。

そういえば、そんな話もう知らない人も多いかもしれないが、日本でも80年代末に各自治体に1億円ばらまいたことがあった。今もやってるふるさと納税にも同様の流れを感じる🤔 人口減少、高齢化が進む日本の地方自治体に、モックモックの「縮小する持続可能性戦略」はなにかヒントにならないだろうか? 

でも、そんな話とはまったく関係なくヨックモックのお菓子食べたくなってきました♡

このまま進むとヨックモックは63年で町が消滅

© Hiromi Blomberg 2023