スウェーデンで各地方自治体が共同で運営している大規模医療情報サイトや、その他の行政機関の運営するサイトや提供される資料でもできるだけ「男性」「女性」という言葉を使わないという流れが目立ってきた。
先日のテレビのニュース番組で、この流れに反対し「とはいっても人の体の生物学的な特徴は男性、女性という言葉を使って表現することが当然だと考える」と訴える保守系ジャーナリストと、「トランスの人たちが、医療は自分たちにも向けられていると感じるには、できるだけ男性、女性という言葉を使うべきではない」と性別適合問題に詳しい活動家の間で討論を行っていた。
ここで問題になっている大規模医療情報サイトというのは1177.seというサイトで、ちょっと具合が悪くなったからといって簡単に診療所や病院で見てもらえないスウェーデンでは、本当に多くの人が情報を探しに行くところ。幸い私はほとんど病気になったことがないので、あまり使ったことがなかった。
今、気になってちょっとサイトを見にいったら、サイトの方針として「男性(man)」や「女性(Kvinna)」また「男の子(kille)」や「女の子(Flicka)」という言葉は使わないことや、それでも「男性」「女性」という言葉が使われている時は、その言葉は何を意味しているか、ということが説明されていた。例えば「妊娠した女性」という言い方はしないで「妊娠した人」という表記を使うように、となっている。
現実は私が感じていたよりも、もっと進んでいたということか。
パスポートなど公的証明書類への性別の表記問題とはまた別に、これは体を扱う医療の世界を表現する問題。でもだからこそ一層の配慮が必要なのかもしれない。
これから、スウェーデンの行政機関に提出する書類や受け取る情報で、性別の扱いがどうなっているか、ちょっと気をつけて見ていかないと!
ディベート・医療機関は「男性」「女性」という言葉を使うべきか?(SVT)