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代えのきかないピルの在庫と優先順位

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ドイツのバイエル社が製造しているQlairaというピルが、スウェーデン全国で在庫切れ中で、11月まで入荷しない見込みとなっている。Qlairaは避妊用ピルとして使用されるだけでなく子宮内膜症を患っている人にも処方されているが、これと同じ成分で作られている薬剤は他になく、Qlairaを使っていた人たちは医療機関に連絡を取り、他の治療薬に切り替えることを余儀なくされている。

婦人科医のアンナソフィア・メーリンさんは「ピルなんだからと、他の錠剤に変えればいいだけだろと考えるのは、女性の病気やその症状、また薬の副作用のことを真剣に考えていない。女性の健康が軽くみられている」と強く批判する。

スウェーデンの医薬品庁は国内の薬品の在庫管理の責任はないが、近年の製薬企業の少量生産により在庫をなるだけ持とうとしないトレンドを指摘する。在庫をできるだけ持とうとしないのは、医薬品を販売する薬局側も同様だ。

バイエル社は、Qlairaに使用する成分の一部が入手できておらず、生産が遅れていると説明するが詳細は明らかにされていない。

スウェーデンでは、この3月に医療への備えに関する調査がまとめられ、その中で緊急時に備え、医薬品の備蓄を増やすことが提案された。今回のコロナで隣国のフィンランドとは異なり、医療用防具などさまざまな面で緊急時に対応する備蓄が足りていないことが明らかになっている。

備蓄を、無駄と見るか、備えとみるか。効率化という言葉だけを信奉していてはだめなことは、もうかなり明らかになってきましたよね。

人気のピルが手に入らない理由(SVT)

代えのきかない錠剤が全国で品切れ(SVT)

© Hiromi Blomberg 2021