swelog ニュースで語るスウェーデン

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ずっと続く正念場

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昨日の夜のニュースで司会者は公衆衛生庁の責任者のアンデシュ・テグネルに、今スウェーデンで誰もが気になっていることをグサリと質問した。

「(スウェーデンだけ社会的隔離も行わず、他の国とずいぶんやり方が違うが)これは正しいのか? 間違っていたらあなたはどう責任を取るのか?」

テグネルは「責任は(公衆衛生庁が出す方針を国の方針とするとした)政府にある」としながらも「(対策そのもの及ぼす効果については)予想した通りで物事が進んでいると確信している。他の国と違うからという点では心配してない」とはっきり答えた。そして「今のところは想定内の展開だ。医療はなんとか持ちこたえている」と続けた。テグネルは自分と500人いる公衆衛生庁の同僚とで出した判断を信じている。

昨日はストックホルムでの一日の死者がこれまでにはなかったレベルの18人と、飛躍的に伸びたことで私も少し心配になった。でも、死者がこれからもどんどん増えていくのは想定ずみで、問題はどれだけ一時的な感染者爆発を起こさないで、なんとか持ちこたえることができる医療体制でやっていけるかどうかの一点にかかっている。

政府も公衆衛生庁も、集中治療室に運ばれてくる感染者数の推移を、刻一刻と息をつめて確認続けているはずだ。今が正念場で正念場は一時的なものではなく、これから夏頃までずっと続く。

昨夜のアンデシュ・テグネルは、さすがにとても疲れているのが誰の目にも明らかだった。

普段なら私が彼の服装を茶化して「今日は赤セーターに赤パンだよ」とでも言うところだが、疲れたテグネルを前に私は茶化す気になれなかった。一緒にニュースを見てた夫が彼のはねた髪をみて「なんだアンデシュ、今日は髪の毛をとく暇もなかったのか」とこちらは普段はしないようなコメントをした。

そんな木曜日の夜が明けた今朝も太陽が眩しい。今週はなんやかんやで一週間ずっといい天気だったな。

アンデシュ・テグネル談「これが正しいと確信している」

© Hiromi Blomberg 2023