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子供が願う「ヨハン(長官)、学校を休校にしないで!」

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スウェーデンの公衆衛生庁長官であるヨハン・カールソンのもとには、最近子供たちからたくさんの手紙が届く。書いてあるのは「お願い、学校を閉鎖しないで!」。

スウェーデンは、新型コロナウイルス感染が拡大しているヨーロッパ諸国の中で、今も社会的ロックダウンを行わず、基礎学校と呼ばれる小中学校も休校にしていない国だ。

公衆衛生庁は、2014年にそれまでの感染予防機構、公衆衛生庁並びに社会庁の一部が統合されて新しい形となった行政機関で、感染予防のスペシャリストであるヨハン・カールソンの責任範囲も、感染病に軸足を起きつつも国民の健康や生活ををもっと大きな範囲で考えることころまで広がった。

「なぜ学校を休校にしないのか!」と、時に強い憤りも伴ってヨハン・カールソンや彼の部下である国家主席疫学官のアンデシュ・テグネルに繰り返し投げつけられる質問に、二人は「それではスウェーデンの社会が回らない」と答えてきた。

共働きが基本のスウェーデンで基礎学校を休みにすると両親のどちらかが仕事を休まねければならないが、とても多くの人(特に母親)が医療、福祉の領域で働いており、たちまち現場が回らなくなる。いつもは子供を預かってくれていたであろう高齢の祖父母たちは今は社会から隔絶されているべきで、今回は頼れない。スウェーデンではシングルマザーなど一人で子供を育てている人もとても多い。幸い今回の新型コロナウイルスは子供はもし感染していたとしてもほとんど症状はない。

カールソンはさらには「とても長い期間、学校という居場所がなくなることで精神的なよりどころをなくしてしまう子供たちがいる。それを考えた時、ぎりぎりの段階になるまで学校は閉鎖するべきではないと考えている」とダーゲンズ・ニュヘテルのインタビューで語っている。

昨日の日曜日はとてもいい天気で、うちの近所の緑地では散歩やフリスビーをする人が目立った。みんなお互いの身体間隔には注意しながらも、青空とようやく春を感じさせる太陽の下で、自由に行動できるのは本当にありがたい。子供が自由に走りまわっているのをみるだけで私までなんだか嬉しくなる。

こちらでは今週は復活祭の休暇で、これまでは閉鎖されていなかった学校も休みになる。今日から週末までお天気もなかなかよさそうなので、屋外とはいえ、みんなの気が緩みすぎて感染がまた一気に広がりすぎたりしないかが気になるが、無症状の人も含めて感染者の数がかなり増えていると思われる現状では、休暇中に大きな移動を行わない限りでは爆発的に拡大が拡大することはないと考えられている。

ストックホルムの人が田舎に休暇に出かけてはいけないが、家の近所で屋外で他の人と「コロナ間隔」を取りながらであればどんどん散歩にでても問題なさそうだ。

テグネル談「雨により人々が屋内で会ったりしていたら、問題だっただろう」

ただしこの先少なくとも3週間はストックホルムを中心として救急医療を必要とする感染者数や死者の数も増加の一方をたどる見込みだ。

休暇明けの次の火曜日、子どもたちがまた学校に戻る時、世界はどんな状況にあるのだろう?

公衆衛生庁ヨハン・カールソンインタビュー「死者の数が鍵を握るのではない」