先日、新型コロナウイルスに感染すると症状が重篤化する可能性が高いとされる「高リスクグループ」という考え方について取り上げた。
コロナの「高リスクグループ」という考え方 - swelog 今日のスウェーデンのニュース
現時点では、自身がなんの病状もなく健康な状態の場合、高リスクグループに属していても、それだけでは仕事を休んでもいい理由にはならない。家からリモートで仕事できる場合はいいが、出勤しなければならない高リスクグループの人はどうするか?
2010年に腎臓の移植手術を受けて現在も免疫抑制薬による治療を続け、高血圧と脊椎先天性の異常もを持つ26歳のライナスさんは、普段は子ども向けの精神疾患病棟で看護師として働く。
コロナの感染が拡大し始めた当初は、職場で自分ひとりで使う部屋をもらって、昼食時も他の人と交わらないといった方法でしのいでいたが、次第に感染の恐怖に取り憑かれパニック障害に襲われるようになった。ライナスさんは4月頭に強いストレスと不安障害と診断され、それ以降は病欠扱いとなり自宅で過ごしている。
社会担当大臣のレーナ・ハレングレンによると、目下政府は、高リスクグループの人は働かなくても一定の条件下で給与補償がでるという対応策を急ピッチで検討しているそうだ。ただ、検討中であることは少し前から説明されているにも関わらず、実施がいつになるのかはまだ明らかになっていない。
気がつくと4月も今週でもう終わり。スウェーデンでは5月1日はメーデーで休みなので、今週多くの人は、働くのは4日だけだ。スウェーデン政府や行政の対応スピードは早いと感じているが、それでもこの4日でどれだけのことを前に進めることができるのだろう? 毎日、決めないといけないことは山盛りで、連日社会保険関連の対策に関する記者会見を行うハレングレンの顔と髪に、ずいぶん前から疲労が色濃くでるようになってきた。
政治家は出した対策で評価されるべきで、一生懸命やっているだけで評価はしないのが有権者としての正しい態度だと思うが、ここまで一生懸命やっている人を毎日みていると「倒れないでね」と声をかけたくなる。
こんな嵐のような毎日を過ごしている政府や行政や医療で働く人たちとは異なり、私の毎日は淡々とすぎていく。今日も自分のやることをやって一日を前に送ろう。