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夏の隣人問題

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今日から7月。以前から予定されていた通り、スウェーデンのコロナ規制はさらに第二段階の規制緩和に向かう。具体的にはレストランがほぼ通常通り営業できるようになったり、1800名までデモが開催可能になったりする。

感染しないように気をつけて過ごすことには変わりないけど、公共交通機関のラッシュ時のマクスの着用や、買い物は一人で行くようになどといった要請はなくなった。

さらには今日からはいわゆるワクチンパスポートの発行も始まる。ワクチンを必要回数接種済みであったり、検査が陰性、またはコロナ感染から回復したものを証明するもので、無料で発行してもらえる。

詳しくはこちらのcovidbevis特設サイトから。これからはこの証明書をもらって国外に旅行に行く人も増えそう。ただしこのCovid証明(すごい名前だ)があればEUならどこへでも行けるということではないので、渡航の際には目的地が要求している条件を自分で確認する必要がある。

長い間公共交通に乗っていのですっかり忘れていたが、日本人なら誰もが不思議に思う、スウェーデン人のあんまりウェルカムじゃない特性を思い出した。狭いところでくっつきあって暮らしてきたという経験に乏しいのか、公共の場で周囲に人がいるということを考えない行動が目立つ。歩道の真ん中や電車の出入り口で他の通行人のことを考えないで立ち止まったまま話していたり、降りる人が先で乗る人は後という単純なルールを理解していなかったり。

そして公共交通機関の中で携帯電話で延々と大きな声で話したり。人が他人の悪口言ったりするを無理やり聞かされ続けるのも結構辛い。夏はこれが集合住宅のベランダなどでも結構起こる。どこの家もエアコンなどないので、みんな窓は開けっぱなしだから。私も近所の人が延々と自分の仕事仲間と所属するチームの問題点についてベランダで大声で話しているのが耳に入ってくる。なんならアドバイスを差し上げたいくらい。

このとってもウェルカムじゃない夏の隣人問題は、一昨日のサッカーの欧州選手権のスウェーデンの試合では、もっと困った出来事になってしまっていたらしい。

今テレビは地上波でもストリーミングでも見ることができるが、その配信スピードには平均22秒ほど差がある。22秒もあればサッカーではいろんなことが起こる。窓を開けっ放しでストリーミングで試合をみていた人は、画面で見るより先に、外から聞こえる地上波でみていた人の歓声で、次の瞬間にゴールが決まったかどうかを知ることになる。

記事によると、この隣人歓声ネタバレ問題は毎年夏になると取りざたされるが、技術的に解決するには費用がかかりすぎるし、そのうちまたすぐに窓は閉められるので忘れ去られる。スウェーデンの夏の風物詩、 どなたか、これで一句いかがでしょう?

規制緩和でより多くの人で集まったり、観戦したりが可能に(SVT)

ワクチン接種済みの人はワクチン証明の入手が可能に(SVT)

ストリーミングサッカーファンの観戦を台無しにした地上波の隣人たち(SVT)

© Hiromi Blomberg 2023