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世界のタレコミ、内部告発はスウェーデンの新聞へ!

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「Leak to us(タレコミは私たちに)」。

スウェーデンの大手新聞ダーゲンズ・ニュヘテル(DN)が、世界中の内部告発者にタレコミをするなら、内部告発者の安全を守ることにも調査報道の専門力にも勝るうちの新聞にぜひ、と呼びかけている。

DNは業績が好調なこと、また調査報道は世界を変えるという社の強い信念を軸にして、世界中の報道機関と協力して国境をまたいだ調査報道を戦略的に実施していくことを決定した。

DNはスウェーデン国内の社会問題の多くが国際的な文脈を持つことが増えたことを指摘し、たとえば2020年にDNがスクープした世界的な暗号詐欺のネットワークに関する報道を上げる。

これはウクライナのキエフにある暗号詐欺コールセンターの内部告発者が直接DNに接触して、詐欺の仕組みや世界中の数千人にのぼる被害者に関する情報をリーク。これを受けたDNは世界中の20以上の報道機関と協力して大掛かりな調査へと発展させ、国際的なジャーナリズム賞も受賞した報道へとつなげた。

この呼びかけにさきがけて、DNでは大量の非構造化また構造化された情報を処理することができるようにOccrpが開発したデータベースツールAlephを改良した自社版の開発などの投資を行ったこと、またメッセージの送信やファイルの送信に関してセキュアなシステムを構築したと説明している。

1776年に遡る世界で最も古い報道の自由に関する法律のあるスウェーデンでは、ジャーナリストは情報の入手先を明かさなくてもよいことは保証されており、法執行機関であっても報道機関の情報入手先を問いただすことはできない。

DNが世界中から内部告発を求めているのは、スウェーデンや北欧諸国に関する汚職、犯罪、人権侵害、企業の責任に関する問題に関わるもの、また世界共通の問題として、国家安全保障、グレーゾーン事態やハイブリッド戦に関わるもの上げている。

世界中から内部告発を募集するといっても、残念ながらDNは日本国内の汚職、犯罪、人権侵害、企業の責任問題は扱ってくれないようだが、大丈夫、日本には週刊文春がある?「文春砲」生みの親に聞いてみた 官邸圧力もスクープに忖度なし【政界Web】:時事ドットコム

 

DNが国際的な内部告発サービスを開始(ダーゲンズ・ニュヘテル)

DN Leaks. Leak to us

© Hiromi Blomberg 2023