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ニュースサイトが選挙を目前に無料開放。そして合理的選択と感情について

9月11日の統一選挙の日まで4週間を切ったこのタイミングで、大手新聞のダーゲンス・ニュヘテルがすべての記事の新規読者に無料開放を始めた。ニュースサイトを無料で読むには登録する必要があるが、支払いに関するクレジットカード情報などを入力する必要はない。登録すると選挙当日まで無料でサイトにアクセスでき、その後は自動的に購読登録が解除されるので、解除のし忘れで課金されることもない。

ダーゲンス・ニュヘテルの副編集長で選挙報道の責任者マチルダ・E・ハンソンは「質の高いジャーナリズムにはお金がかかるが、選挙前にはスウェーデンの政治に関する独立した機関によるジャーナリズムを読む機会を、すべての人に提供したい。この期間は、人々は財布の大きさに関係なくきちんとした事実やインタビュー報道を入手できるべきだ」とコメントしている。

そして、今朝のダーゲンス・ニュヘテルには最近『政党選択の技術(Konsten att välja parti・未邦訳)』という本を出版したヨーテボリ大学政治学の教授ヘンリック・オスカーションのインタビューが掲載されていた(4年前の選挙の時にもよくこの人の顔を見たことを思い出す)。

オスカーション教授が主張するのは、私たちは感情に基づいて投票していいという論で、選挙を前にして、人々はすべての情報を入手し、それを論理的に分析してから投票をするわけではないが、無意識に感じていることに基づいて投票しても大きな間違いはないというもの。

オスカーション教授は最新の認知心理学者たちの研究を引き合いにして、脳は資源を効率的に使うために、私たちは情報に接した瞬間にその情報に対する評価を行っており、またすべての情報を記憶しておくことは非常に労力を必要とするため、評価の際のすべての根拠を記憶することなしに評価(どう感じているか)のアップデートを行っている。

また私たちは毎日、意図せずして無数の情報に接しているため、例えば、今のスウェーデンの各党の党首に対する評価も、その場、その場で常にアップデートしている。そして仮にあなたがマグダレーナ・アンデションの細かい政策案をしらなくても「彼女は信頼できる人だ」と評価をしていた場合、アンデションの政策とあなたが大事だと考えている政策の方向性は大きく変わらない、とオスカーション教授は説明する。

よって、やりたい人はやってもいいが、選挙のマニフェストを細かく読んだり、政党を選ぶためのコンパスやらなくても、私たちはだいたいにおいて自分にとって正しい選択ができるのだという。

オスカーション教授はこの記事の中で、SNSなどのフィルターバブルの影響や、ニュースの情報源に関するスウェーデンとアメリカでの違い、また悲観的になり過ぎないためにはどうするかといったことにも触れていて、この記事はとても興味深いのだが、すみません、今日は寝坊したのでこれ以上は書けません😅

スウェーデンのパーソナルナンバーを持っていて、これまでにダーゲンス・ニュヘテルを購読したことのない人は、登録すればこのインタビューもすぐ読めるのでぜひこちらから登録をどうぞ😃 Erbjudande - DN.se

ダーゲンス・ニュヘテルは選挙当日まで新規読者むけにサイトをオープン(SVT)

© Hiromi Blomberg 2022