swelog ここだけのスウェーデンのニュース

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自分で作る棺桶

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プラスティックの棺桶に入りたくないと、自分で自分用の木の棺桶を作ったのは大工として働いてきた88歳のグンナー・ヨンソンさん。

近くの森から切り出された木材を材料として、子どもの頃から多くの家具を作ってきたグンナーさんは、コロナ禍でも木のテーブルを作るなど家具の制作に励んでいたが、今年の2月になって、彼の娘さんが自分の父親が棺桶を作っていることに気がついた。

彼女はとても驚いたが、人生の最後を近くの森から切り出した木材を使って自分で作った棺桶の中で迎えたいという父親の願いをよく理解し、さらには自分も父親の作った棺で最後を迎えたいと考えた彼女は、自分用の棺桶を父親に発注。グンナーさんは合計10に登る棺桶の発注をもらったが、もう年なのでこれ以上の注文は受けないことにしたそうだ。

スウェーデンの棺桶はプラスティックでできているのか? と思いちょっと調べてみたらこちらの葬儀社の棺桶リストにあるのは木のものがほとんどだった。グンナーさんは木目を生かした自然な感じの棺桶を自分で作りたかったものと理解した。自分の一生をよく反映した最後を自分で準備できて、今は安心しているに違いない。

そう言えば、4月に父が亡くなる前に京都の実家で最後の時を一緒に過ごしていた時に、父が以前自分で買って家にあった『大往生したけりゃ医療とかかわるな 『自然死』のすすめ』という本を読んだ。

京都の中村仁一先生というお医者さんの書かれた本だが、この本のおかげで、徐々に食べ物も飲み物も摂れなくなり枯れ木のように静かな息になっていった父を、心あまり乱れることなく見送ることができた。

話が長くなったが、この中村先生はずっとダンボールでできた棺桶を推奨していた。この6月に中村先生も家で家族に見守られながら静かに亡くなられたことを毎日新聞の記事で知った。ダンボールの棺の希望は残念ながら叶わなかったそうだが、先生の息子さんが最期の様子をブログに残してられたので、こちらにもリンクを貼っておきます。

父 中村仁一が永眠いたしました。 - 自分の死を考える集い開催スケジュール掲示板

そろそろ私も自分の最期をどう迎えたいかを考えてみる時期なのかな?

88歳のグンナーは自分の棺桶をつくった。さらに村の住民から注文も(SVT)

© Hiromi Blomberg 2021