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サーミに謝罪したスウェーデン教会の大司教が伝える「集団を代表して謝罪する」ことの意味

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「謝罪とは加害者としての道徳的責任を認めることであり、相手からの許しを求めるものではない」と語っていたのは、スウェーデン教会のアンティエ・ヤッケレーン大司教。

スウェーデン教会は先週の水曜日、スウェーデン国教会時代に行使できた権力で、サーミの人々を抑圧して差別的な扱いした「ノマド学校」などの設立と運営に中心的な役割を果たしたことを、サーミの人々に公式に謝罪した。

この時代の出来事は素晴らしい映画『サーミの血』に詳しい。

”サーミ人とは、ラップランド地方、いわゆるノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北部とロシアのコラ半島でトナカイを飼い暮らし、フィンランド語に近い独自の言語を持つ先住民族。映画の主な舞台となる1930年代、スウェーデンのサーミ人は他の人種より劣った民族として差別された。”(以下記事より引用)
北欧フィーカ|『サーミの血』── 少女が願ったのは 自由に生きること|スウェーデン映画|北欧映画|Scandinavian fika.fika10.com

ヤッケレーン大司教は、サーミ人をスウェーデン化しようとしたり、サーミ人の遺体を解剖する人種生物学に協力、また彼らの言語や文化、土地や歴史を奪おうとすることで、サーミ人の人権と尊厳を激しく侵害したことを認め、謝罪した。

スウェーデン教会はこれは今後の包括的な和解にむけての長いプロセスの第一歩であるといい、口約束だけではなく、よい関係を築くための具体的な教会側からのコミットメントとして8つのこと(サーミ人の遺骨の返還、サーミ人の影響力の強化、サーミの若者と子どもたちの未来への希望を、先住民の権利に関する知識の理解、サーミの地におけるスウェーデン教会の土地所有についての調査など)を約束した。

土地問題などに関してはスウェーデン国家がまもなく真実解明委員会による調査に着手する予定であることも明らかにし、この時代の闇がよりはっきりと明らかになるはずと説明を付け加えた。

大司教は、人間には罪を認め、赦しを求めて赦しを受けることができること、また集団で罪を犯してしまった場合、悪事が行われたのは昔であっても、今の自分がその集団を代表している場合の責任について語る。

冒頭の大司教の言葉にあるように、謝罪したからといってすぐに許されるわけではないが、自身の、そして自分が代表する集団の責任を認めないことには、関係はいつまでたっても修復されない。しかし国家や大きな組織などが「きちんと謝る」ということほど、難しいことはないようだ。いや、それは個人でも同じなのかもしれない。

スウェーデン教会大司教の寄稿・スウェーデン教会はサーミの人々に謝罪する(ダーゲンス・ニュヘテル)

© Hiromi Blomberg 2022