拡大生産者責任とは、生産者が生産するだけではなく、その製品の廃棄・リサイクル段階まで責任を負うという考え方である。
生産者が製品の生産・使用段階だけでなく、廃棄・リサイクル段階まで責任を負うという考え方。具体的には、生産者が使用済み製品を回収、リサイクルまたは廃棄し、その費用も負担すること。OECD(経済協力開発機構)が提唱した。循環型社会形成推進基本法にもこの考え方が取り入れられている。
ー EICネット 環境用語より
今でも各種容器や包装、家電製品などに取り入れられており、私たちは普段特に意識せずに買い物していると思う。
スウェーデンでは今、この拡大生産者責任を衣類のリサイクルにも適応させることを検討している。スウェーデンでプラスティックやガラス、そして金属容器が分別収集、リサイクルされているのと同じような形で、古着の回収を行いリサイクルを行うという提案だ。
これにより、衣類販売企業はリサイクル費用を負担することになり、それは私たち消費者への洋服の価格に反映される予定だ。EUでも(また、でた、このグイグイ推してくるEU!)2025年までに、古いテキスタイルの回収を始めることを加盟国に課している。
これまでのスウェーデン政府による調査では「Tシャツ一枚につき23オーレ(0.23クローナ)」といった数字がでてきているそうだが、この件に関する専門家は、実際はもっと高くなるだろうとみている。それが、5クローナ、10クローナ、15クローナなどどこに落ち着くのかはまだわからないが、リサイクルの範囲を広げていくことで上乗せ価格はもっと高くなる可能性があるともいう。
現在 リサイクルされず、捨てられて焼却されてしまっている90%の衣類を、今後はリサイクルしたいと考えているスウェーデンでは、リサイクル施設のさらなる拡充も検討されている。マルメにあるとても進んだテキスタイルのリサイクル施設Siptexは、今も世界の注目を集めているが、大量の衣類をリサイクルするには、Siptexと同等のものをこの先国内に2、3ヶ所作る必要がある。
余談ですが、「拡大生産者責任」というこの言葉、上の環境用語の説明ではOECDが提唱したものと書かれているが、もともとはスウェーデン、ルンド大学の研究者が定義したもののようで、ルンド大学国際環境産業経済研究所の東條なお子さんがまとめられた、その研究者へのインタビュー記事を見つけましたのでよければこちらもどうぞ。