というかなり衝撃的なニュースがダーゲンス・ニュヘテルに掲載されていた。
こちらの発言の主はルンド大学の国際環境研究所のカール・ダルハッマー講師。彼は同研究所の他の研究者たちと共同で、Eコマース業界のキーパーソン11名に匿名でインタビューし、その結果、Eコマースで返品されたものの大半は捨てられていることがわかった。これはヨーロッパでは約2000億ユーロ相当の衣類や電化製品が破棄されているという試算になる。
彼は捨てられているだろうことは想定はしていたが、これほどの量だったとは衝撃的だとコメントしている。
返品されたものはチャリティーに回されたり、セカンドハンド洋品店に流れることもあるが、多くがそのまま破棄される。特に衣類や安価な電化製品など、在庫がたくさんあり返品も多いようなカテゴリーで廃棄がおこる。商品の安さと比較して、返品されたものを再び販売できるようにするためには多くの人件費がかかるためだ。ビジネスにとっては戻ってきたものをそのまま捨てたほうが効率的だ。
洋服のサイズ違いを3つ注文して、合った1枚だけ残し、あとの2枚は返品するというような行動を取る人は、その2枚は返品ではなくそのまま廃棄されると考えを改めたほうがいい。返品に廃棄は安い衣類でよく起こるが、ラグジュアリーな衣類もそのブランド価値を担保するために、返品や売れ残った衣類を、寄付したりもしないで廃棄するということは以前よりよく行われていた。
ダルハッマーたちはこの返品即廃棄の問題に取り組むためには、なんらかの規制が必要だと考えている。それはメーカーがどれだけ廃棄したかを報告する義務かもしれないし、EUもこの問題を調査しているという。今回の調査の対象もスウェーデンだけでなく西ヨーロッパ全体に及ぶ。また有効な手段として、消費者側にも返品の際の送料の負担義務を法律で決めるということも検討される価値があるという。
食品ロス問題も衝撃的で、ロスを減らすには手間も費用も捨てる以上にかかることもわかったが、徐々に問題が明らかになり、それに対して働きかける多くの人がいる。
衣類や安い電化製品の返品廃棄問題も、早くもっと多くの人が知る問題になればいい。