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ワクチン未接種者への圧力や差別とオンブズマン

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昨日「この先の6〜8週間でヨーロッパの人口の約半数がオミクロン株に感染するおそれがある」とWHOが発表という記事をみかけた。WHOは感染して重症化したり、死亡したりするリスクを抑えるため、各国に対してワクチン接種を加速させるよう呼びかけたというのが、その内容だった。

これを受けてかどうなのか、デンマークではガン患者や免疫力の低い人、また施設に住む高齢者に4度目のワクチンを提供する準備をすすめていると今朝のSVTの速報にでていた。4回目ですか! いったいいつまで続けるのだろう……

一方で、ワクチンを打っていない人たちが感じている社会的圧力や差別などに関してSVTが調査した記事もでていた。これまでも「なぜ社会的な責任をとらないのだ」などの圧力を受けたり、感じている人が多いため、顔や名前を明らかにして取材を受けようという人はなかなか見つからないようだったが、匿名では「副反応に対する不安やワクチン効果の疑問」が主な未接種の理由で、またメディアは人々の不安を煽りすぎ、報道が一方的であることを訴える人が取材に応じていた。

これまでにJOオンブズマン(国会オンブズマン)に寄せられたワクチン接種パスポートに関する苦情は1万2千件。多くはワクチン接種の証明ではなく、抗体検査で代用できるだろうという訴えなどだそう。また平等オンブズマンには、ワクチン接種にまつわる差別に関する苦情や通報が800件寄せられている。

(オンブズマンの役割に関してはこちらのニュースレター記事もどうぞ)

swelog.theletter.jp

集中治療室で治療を受けている昨年10月以降のコロナ患者のうち、7割近くがワクチン未接種の人で、社会全体では未接種の人は2割以下なので、相対的に高い割合となっている。またスウェーデンは2021年末迄に1度でもワクチンを接種したことのある770万人以上のうち、副反応の疑いがあると報告されたのは100人に1人程度だが、そのほとんどは軽度の1日や2日でなくなるものだったそうだ。

集中治療室におけるワクチン接種者と未接種者の割合

ワクチン接種開始から1年。およそ100人に1人が副反応を報告

先のオンブズマンに寄せられた苦情や通報に関しては、今のところさらなる調査に進んだ事例はない。しかしこれから先、約半数の人がかかってしまうのなら、風邪より身近な病になるということですよね。

ワクチン未接種者たち「私たちは社会から黙らされている」(SVT)

© Hiromi Blomberg 2023