swelog ニュースで語るスウェーデン

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インターネットで街を暖める

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一年ほど前のブログでは、世界中のデータセンターで消費されるエネルギーの総量は発電量全体の1〜2%を占めると推定されており、2030年までには4%近くにまであがる見込みと書いたけれど、今朝読んだ記事では、世界には900万のサーバーホールがあり、その使用量は合計で3%と考えられている」と記載されていた。

今スウェーデンの最北部を始め、世界の北の端で建設されている巨大なデータセンターは、様々な複雑な計算に使われ、私たちの画像や動画を保存し、また映画などのストリーミングサービスを提供するのに欠かせない。これらのデータセンターのサーバーの冷却で消費される電力は、現時点で世界の発電量の1〜2%を占めると推定されている。

ファーウェイで環境問題に携わるアンデシュ・アンドレーさんは、この先2030年までに世界の電力消費量の約4%をデータセンターが消費するとみている。なかでも最近特にエネルギーの消費量を増やしているのは、ビットコインのネットワークに関するもの。

飛び恥の次は「データ恥」? - swelog ここだけのスウェーデンのニュース より

思ったより早いスピードで増えているのか?、計算方法が変更されたのか? いずれにせよ、データセンターの運営に使用されるエネルギーとそこから出る熱、その冷却は大きな問題だ。

これまでは冷却な気候と豊富なグリーン電力を求めて、スウェーデンでの最北の地にアメリカのGAFAなどのデータセンターも次々と建設されている。

swelog.miraioffice.com

今日取り上げた記事で紹介されていたのは、ストックホルムの地中深くにあるサーバーホール。そこではサーバーから出た熱を回収して地域内暖房に使うエネルギーとして使うというプロジェクトが進んでる。これまではサーバーからでた熱は冷却して大気へ捨てていたが、この熱をそのまま暖房エネルギーとして使おうというものだ。

現在さまざまな産業でカーボンフットプリントを減らす取り組みが注視されているが、データセンターで消費されるエネルギーと、そこから出る熱の利用方法に関してはまだそれほど議論が進んでいない。

スウェーデンエネルギー庁は目下Cloudberry Detacertersというプロジェクトで、このサーバーホールからの排熱問題に取り組み、現在は過疎地に建設されたデータセンターで捨てられている熱を、熱源として利用することを義務つけるべきだと考えている。

これからはインターネットで(といってもエネルギーを大量に消費するのはビットコインやNFTに使われるブロックチェーン技術だが。参照 アーティストとNFTと気候危機 - swelog )、街を暖め、風呂を沸かして、温室で野菜を育てるのかな?

未来のインターネットは気候危機への大きな要因になる可能性(SVT)

© Hiromi Blomberg 2023