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スウェーデンと「超加工食品」

昨年12月の調査によるとスウェーデンはヨーロッパで最も「超加工食品」を消費している国で、スウェーデン人のエネルギー摂取量の40%以上が超加工食品によるものであることがわかった。

「超加工食品(Ultraprocessad mat)」という言葉、私はこちらの記事で初めて知ったが、近年話題になっているものらしく、日本語でも例えば、こちらの2019年の朝日新聞の記事に詳しい。

 「超加工食品」という言葉を聞いたことがありますか? カップ麺や袋入りスナック菓子、炭酸飲料などが典型的な超加工食品。がんや死亡率、肥満との関連を調べた研究結果が最近発表されていて、欧米ではBBCやガーディアン、ニューヨークタイムズ紙など大手メディアが論文の内容を報道し、英国の政府機関が解説を発表するなど、話題になっています。「超加工食品」とはなにか がんや肥満とも関連?:朝日新聞デジタル

超加工食品という言葉自体がまだまだ定義も理解も難しく、誤解を与えてしまうこともあるようだが、スウェーデンの体育大学の教授は、パッケージに入っている食品で複雑な成分表示表や長い賞味期限などを目安として見分けるといいと説明していた。科学的・工業的な加工方法で、原材料を、より安価な加工小麦や砂糖、精製された種子油などに置き換えることで、食品は栄養が少なくエネルギー量の多い食べ物になる。

スウェーデンや他のヨーロッパの国では超加工食品と肥満の関係は証明されていないが、アメリカなどではそれを示唆する研究結果もある。現在ブラジルなどいくつかの国では超加工食品の消費を減らすことが推奨されており、スヴェンスカダーグブラデット紙の報道によれば、スウェーデンでも今年の末に10年ぶりに更新される「北欧の栄養摂取に関する推奨」で、超加工食品への言及が行われる予定らしい。

上でリンクした朝日新聞の記事では超加工食品としてまずカップ麺や袋入りスナック菓子が上げられているが、今日のダーゲンス・ニュヘテルの記事で言及されているスウェーデンでの超加工食品には、フライドポテトやナゲットなどのファーストフード、朝食用のシリアル、そしてアボカドがほとんど入っていないワカモレや無糖を謳うオートミルクやビーガン用代用肉加工食品各種など、どれもスウェーデンでの暮らしに馴染みのあるものばかり。一見健康的そうなものも超加工食品であることにも注意する必要がある。

そしてスウェーデンがヨーロッパでも一番超加工食品の消費が多い国となっている背景には、きっとイケアのホットドックとビーガンミートボールなどの影響があるに違いない?

科学者たちが超加工食品に警告を発する理由(ダーゲンス・ニュヘテル)

記事で取り上げられていたこちらの『フェイクフード』っていう本、きっと読むべきだな!

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© Hiromi Blomberg 2023