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子どものメンタルヘルス問題を引き起こす親のタイプはこれ

10代、20代の若者の精神疾患が増加傾向にあるスウェーデン。

『こんな風に感じるものなの?(そしてその他の難しい問題)Ska det kännas så här? (och andra svåra frågor”)』など、子ども向けに書かれた心の健康問題を扱った本の著者で、児童心理学者のレイハネ・アハンガランさんは、子どもの健康と幸せにいい子育てのスタイルがあることは研究により明らかになっていると説明する。

例えば中国では親からの高い期待を受けて一流の教育機関に入学した大学生がうつ病に陥るという新しいタイプのメンタルヘルス問題がでてきている。要求や規則が厳しい権威主義的な親を持つ子どもは、成長して精神疾患を患うことが多いことを指摘する研究結果があるが、スウェーデンではこのタイプのうつ病はまだ観察されていない。

スウェーデンでは過去のものとなったこのような厳格な親の代わりに、今、子どものメンタルヘルスに問題を引き起こしているのは「放任すぎる親」だとアハンガランさんは説明する。スウェーデン語で「låt-gå」スタイルと呼ばれるこのタイプの親のもとでは、ルールがまったくないため、子どもが親から関心を持たれていないのではないかと不安に思ってしまい、これが長期的にはメンタルヘルスに影響を与えるという。

子どもの発達やメンタルヘルスに一番いいのは、親としての思いやりや気遣いからの温かく優しさによるルールが決められている時だという。子どもたちは自分たちが好むことを追求しながらも、そのような温かなルールがあることで、肯定され、見守る人がいて、愛されていることを感じることができる。アハンガランさんはこれを「民主主義的子育てスタイル」と呼び、大切なのは「ラーゴム」であることだという。

権威主義的な子育てスタイルは最悪だが、放任すぎてもいけない。一定程度のルールがあれば、その場その場では子どもたちはそれに反抗するかもしれないが、なぜ親がルールを決めたかを長期的には理解することができ、それが子どもたちのメンタルヘルスに貢献するという。これは例えば毎日宿題をするとか、何時には家に戻っているようにとか、そんな感じのルールを、民主主義的に双方向で子どもの意見も取り入れながら決めていくといったやり方だ。

「民主主義」と「ラーゴム」は、やはりスウェーデンでは何事にも欠かせない。

メンタルヘルス上のリスクが高くなる親のタイプはこれ・子育ての3タイプ(アフトンブラーデット)

© Hiromi Blomberg 2022