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スウェーデンの新規原発建設計画に憤る、デンマークの元反原発活動家たち

 2030年に完了する予定の建屋の解体に至るまで、ゆっくりと終活活動が進むスウェーデン南部のバーセベック原子力発電所。

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この発電所の所有母体であるUniper社は、同じ土地に新しい原子力発電所建設の計画があることを発表した。この可能性は以前から言及されてきたが、スウェーデンの新政権が原子力発電所の再稼働や新規建設に前向きなことから、計画を現実化させることを目指すもの。

Uniperはバーセベックに「クリーンエネルギー・パーク」を建設したい考えで、ここで原子力や風力、太陽光、水素など、化石燃料を使わない新しいエネルギー開発の研究を進めたい意向だ。原子力発電所に関しては、これまでのものと同様、本格的な規模のものか、もしくは今世界中で開発が進む小型の原子炉SMRなのかなど、具体的なことはまだ言及されていない。

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原子力発電所建設計画は費用やスケジュールが大幅に伸びる傾向がある。最近稼働し始めたフィンランドのオルキルオト3原子力発電所は、最終的には当初の見積もりの330億クローナ(約4450億円)の4倍近い1200億クローナ(約1兆6185億円)の費用がかかり、建設期間も10年以上伸びたとSVTの記事にはある。

バーセベックはまだ資金調達検討の段階ではないが、新政府が原子力発電開発のために4000億クローナ(約5兆3952億円)の信用貸付金を準備したいとの意向を歓迎している。政府側もUniper社の発表を喜んでいるが、この発表に呆れているのは、バーセベック発電所が閉鎖される際の大きな原動力となった、この発電所の対岸に住むデンマークの人たちである。

1970年代半ばから1999年にバーセベックの1号機の原子炉が停止するまで活動していたデンマークの反原発運動団体OOAの中心的存在だった人たちは、「スウェーデン政府は他の再生可能性エネルギーへの投資をやめてすべてを原子力に投資すべきだみたいなことをいっているが、そんな馬鹿げたことはない」と、今のスウェーデン政府の姿勢を鋭く批判する。

OOAはデンマークにも一時存在した原子力発電所建設計画の中止にも成功しており、その流れで、今のデンマークが風力発電で世界をリードする国になっていることは、このブログを読んでくださっている皆さんなら既に存じの通り。

元活動家たちはみんな70歳+で、80歳近い人もいるが、ここはどうかもう人肌脱いでいただき「スウェーデンの間抜け!」と罵りにきていただくわけにはいかないだろうか?

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© Hiromi Blomberg 2022