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スウェーデン国会は何をやっているのだろう?

右派ポピュリズム政党のスウェーデン民主党が提出し、最大野党の中道右派穏健党などがその尻馬に乗って支持した法務大臣への不信任案は、昨日の国会で結局過半数を獲得せず決議されなかった。

残ったのは、この決議案投票で鍵を握ったのが「野放し議員」のアミネ・カカバヴェで、彼女は現在スウェーデンのNATO加盟にダメ出ししているトルコからの要求を飲まないことを求めているため、トルコからの注目を集めてしまい、この先スウェーデンのNATO加盟への道のりをさらに難しいものにすることになったということ。

(カカバヴェに関してはこちらの記事でも書いた)

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数週間前には与野党党首が一緒にスウェーデンの安全保障上の利益のために協力することを誓っていたのに、NATO加盟をより強く望んでいるはずの右派勢力がそれを更に難しくするような国会での騒ぎに乗っかるとは、その真意がよくわからない。

法務大臣への不信任案は、今年に入っても増え続ける銃撃殺人事件などを背景として、これまで取り締まりや刑罰を厳しくしてこなかった責任を問うものだが、そのような対応策だけでは犯罪は減らないことは、多くの研究が証明しているところでもあるし、現在の状況を作ってきたのは最近社会民主党がとった政策だけで形成されたものでもない。解決にはもっと地域や学校を巻き込んだ長い目でみた取り組みが必要だ。

カカバヴェには特に恨みもないけれど、このような重要な問題が党派にも属しないたった1人の国会議員により大きく左右されてしまうという、この民主主義の皮肉というかなんというか、、、こんなことで国会議員や国内メディアの重要なリソースを無駄に使っているような余裕はスウェーデンにはないと思うのですけど。

エヴァ・ステンベリ解説「スウェーデンの民主主義にふさわしくないイメージ」(ダーゲンス・ニュヘテル)

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