swelog ニュースで語るスウェーデン

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インフレと即日融資とギャンブル依存症

インフレや全般的な経済状況の悪化により、ギャンブル依存症になる人が増えるかもしれないということで、アフトンブラデーットがギャンブル依存症の人たちの全国互助組織を訪問して取材をしていた。お金が無い時にギャンブルは「一発あてて、なんとかなるかもしれない」という希望を与えてくれる。

そんな人たちにつけ込むのが、クイックローン、クイック融資だ。たいした信用情報もなしに、スマホのテキストメッセージなどで、いとも容易に融資を受けることができる。金融ジャーナリストのアンドレアス・セルヴェンカ(はい、あの大金持ちのパラダイス・スウェーデンの本を書いた人ですね)の調査によれば、このようなクイック融資の典型的な実質金利は819%だという。最も高額な貸付金利の中には10万%を超えるものもある。

このような会社は、過去の返済に問題のあった人にも素早い融資を約束し(数分でお金が届く)、新たなローンを約束するメールやメッセージが絶え間なく送られている。返済に問題がある人ほど、こうしたクイック融資会社の上顧客となる。

ギャンブル依存症のこの全国互助組織では、アルコール依存症の互助組織などを同じように、依存症から抜け出しつつある人たちが集まって、互いの状況を打ち明け、支え合う会合を毎週運営している。そして会の運営を手伝っているのも元依存者たちで、彼、彼女たちもずっと「元」依存者でい続けられることを願いながら、他の人たちの依存症との戦いを手伝っている。

しかしこういう悪徳な即日融資会社への規制とかないのだろうか? まずはセルヴェンカの調査報道記事を読んでみるかな(「クイックローン会社はこんなに儲けている」)。

ギャンブル依存症の人たちが語る即日融資の罠(アフトンブラデーット)

© Hiromi Blomberg 2023