スウェーデンでは約5%の女性がPCOSと診断されています、と記事に書かれていたのだけれど、PCOSってなんだろう?
日本婦人科医会のホームページによると、PCOSとは以下の通り。
多嚢胞性卵巣症候群 (polycystic ovary syndrome : PCOS)とは、「両側の卵巣が腫大・肥厚・多嚢胞化し、月経異常や不妊に多毛・男性化・肥満などを伴う症候群」と定義されています。液体で満たされた袋状の病変(嚢胞)が卵巣に多数生じ、卵巣が腫れて大きくなることにちなんで名づけられました。女性の約5~10%にみられ、一般的な不妊症の原因となっています。
カロリンスカ研究所の生殖生理学のエリザベート・ステネール・ヴィクトリン教授は、PCOSの世界的な有病率は10〜18%となっていることから、スウェーデンにはさらに5%〜10%の診断を受けていない人がいると推定されるという(これは少なくとも111,500人に相当する)。また医療現場では本症に関する知識が不足しているとも。
PCOSの主な症状は、月経不順、排卵がまばら、あるいはない、にきびなど。男性ホルモンの値がやや高くなり、体重が増えやすくなり、その結果、他の症状が悪化することにつながる。PCOSは妊娠を希望しているときに発見されることが多いが、妊娠しにくくなることに加え、2型糖尿病、心血管疾患、精神疾患などのリスクも高まると、彼女は説明する。
またPCOSと診断された人の6割は不安障害に苦しんだり、4割が気分の落ち込みを感じていると報告する調査研究もある。PCOSであるとの診断に時間がかかることも多く、自分の症状について十分な知識を医療機関からもらえたと感じた人が極めて少なかったり、診断が確定するまでに何人もの医師に見てもらう必要があった人も多かった。
スウェーデン政府は、女性の健康と疾病に関する研究を勧めることを優先課題としており、この先、PCOSなど、少女や女性に影響を与えるいくつかの病気について知識を高める必要があるとコメントしている。
PCOSは先の引用にある通り、日本語では多嚢胞性卵巣症候群と呼ぶそうだが、この言葉なかなか難しい。スウェーデンでも日本でも、PCOSが普通の言葉として定着すると、この病気に対する理解も治療も進むのかもしれない。えっと、読み方は「ピコス」でいいのかな?