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子ども家族の「ホームレス」化が増えている

スウェーデンには、ホームレスの数についての実態調査統計はないそうだが、2017年に社会庁が発表した推計では、3万3000人以上が様々な形のホームレス状態にあるとされていた。

スウェーデンの「ホームレス」の定義には、又貸し住宅に住むなど正式な住居への契約を欠く人や、家族や親戚や友人、知人宅に仮住まいしている人たちも含まれている。また、このうち3分の1以上の人に18歳未満の子どもがおり、また親がホームレス状態の18歳未満の子どもは少なくとも2万4000人いると推計されていた。

参考・日本では厚生省がホームレスの実態(概数調査)を実施しており、これによると、昨年の確認されたホームレス数は3448人だった。

”日本で法的(2002年ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法より)に定められている「ホームレス」の定義は、「都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場所とし、日常生活を営んでいる者」に限られています「ホームレス問題の現状 | ビッグイシュー基金より)”ということなので、そもそも比較しているものが違うのだけれど。

ホームレスの援助に取り組む団体は、最近はインフレを反映して、お金がないことから住む家をなくす子ども世帯が増えているという。これまでの依存症や精神疾患などの問題から住まいをなくした人の他に、ぎりぎりの家計でなんとか暮らしていた世帯で家賃が払えなくなり、立ち退きを迫られることが目立つのだそう。

援助団体は、子どもは安心して暮らせる場所が必要で、子ども世帯に立ち退きを迫ることを政治の力で禁止してほしい、と訴えている。

債権処理を扱う国家執行機関Kronofogdenによると、2021年に親が立ち退きを迫られたことで一緒に家から追い出された子どもはスウェーデン全国で572人。2017年の調査では、半数以上の人でホームレス状態が1年以上続いていたこともわかったが、2021年のこの子たちに、そして今も増え続ける家をなくした子どもたちに、安心して暮らせる新しい住まいは見つかっただろうか、見つかるのだろうか。

ストックホルムでは家をなくす子ども世帯が増えている。「お金がない」(SVT)

© Hiromi Blomberg 2023