H&Mなどスウェーデンのファスト系ファッション企業が揃って、スウェーデン政府が行った今回の税率変更を批判している。4月1日から6%だった修理・修繕費の消費税を12%にする税改革が行われていた。見逃していたけど昨年10月30日にはこんな記事がでていた。消費税引き上げ案・自転車や靴の修理費が高くなる(SVT2022年10月30日記事)
サーキュラーエコノミーへの移行を反映してか、洋服のお直しや修理をするお店を以前よりもよく見かけるようになったなぁ、と思っていたところで、この世の中の流れと逆行するような税改革。
H&MだけでなくLindex、Kappahl、Gina TricotやNA-KDに至るまで、スウェーデンのファストファッション大手企業でさえすべて、この税改革を批判している。このスウェーデン政府の変革は、EUのテキスタイル戦略に反するだろうことを指摘する声も多い。
修理・修繕費用に関する消費税は、実は比較的短期間で何度も変更が行われてきた。2017年に中道左派の社会民主党が率いる当時の政権は、それまで25%だった消費税率を、食品などと同じ12%に引き下げた。さらには、今年の7月には、書籍やコンサートやスポーツなどのイベントチケットなどと同じ6%まで引き下げられたところで、穏健党の率いる右より政権への交代がおこり、この政権が行ったのがその修繕費の消費税率の引き上げである。アホなのか?
この税率変更は、消費税の全体のフレームワークの調和を図るために行われたと財務省から説明があるそうだが、SVTが再度、ロミナ・ポウルモクタリ気候・環境担当大臣にコメントを求めても、今のところ回答はないようだ。
気候問題で世界をリードする力を失くしただけなく、逆行するような流れを政府自ら作るのはやめてほしい。また気候問題で、経済界の方が政府よりももっとラディカルな変革を起こしていかなければといい、一部の政府の政策にイラツイているようだというニュースは、ファッション業界だけでなく、他の産業の話題でもちらほら見かけるようになってきた。
これからも同様のニュースを見かけたらドンドン拾っていこうっと。