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新しく発表された予算案では気候変動目標は達成できない

スウェーデンは「SDGs達成度ランキング」では世界2位だそうだが、そのスウェーデンでさえ気候変動に関する目標では進展が遅く、または後退している。昨日発表された政府の予算案では、スウェーデンの気候変動対策予算は193億クローナ(約2561億円)にとどまり、2年前と比較すると18%減った。

また新予算は2024年と2025年の両方で気候温暖化ガス排出量が増加し続けることを意味する。政府はガソリン税と燃料税の減税を予算に盛り込んでいるが、これは排出量を35万トン増加させ、スウェーデンが2030年もしくは2040年までの気候変動目標を、国やEUレベルで達成できないことを示している。

現政府が長期的な排出量削減政策の中心に添えているのは原子力発電の促進で、発電所建設にまつわる時間のかかる認可プロセスを短縮できるような改革を求めている。原子力発電にエネルギー源を切り替えることができれば、排出量の削減は長期的には達成できるとの考え方だからだ。この予算案は環境党はもちろん、中央党やさらには政府を率いる穏健党の青年部からも強く批判されている。

昨日は最北の街キルナで24時間以内に38センチもの積雪があったそうで、これはキルナの9月の積雪としては過去最大だと気象庁は伝える。この後、気温は上がるので、この雪は週末には溶けてしまうそうだけど、これまでで一番暑かった夏の後には、一番寒い冬なんてのが来たりするのだろうか?

気候変動対策予算の縮小が排出量を大きく増加させる(SVT)

野党が政府の気候政策を厳しく批判(SVT)

アレクサンダーはスキーで通勤。驚くほど早い積雪(SVT)

© Hiromi Blomberg 2023