昨日は私のヒーローが朝のテレビニュースに出ていた。
タイム誌の2023年の「世界で最も影響力のある100人」のうちの一人としても選ばれた、環境科学研究者のヨハン・ロックストロームは、スウェーデンはとても危険な状態にあると警告する。
彼は、EUは気候政策で主導的な役割を果たし、先日採択された一連の気候温暖化対策関連案を「極めてポジティブ」だと評価する一方で、これまで気候温暖化問題で世界を、そしてEUを牽引してきたスウェーデンが、今は遅れをとり、このまま進むとスウェーデン経済に大きなダメージを与えかねないリスク領域にいると話す。気候温暖化対策で遅れを取ると、ビジネスパートナーとして、この先選ばれることはないだろうという見方だ。
ロックストロームは、これまで常に炭素に対する世界的な取引価格が必要だと言い続けてきたが、このEUの決定により、これが近い将来実現するかもしれないと非常に前向きにとらえていることを説明する。また戦争もあってインフレなど経済的な問題が山積みの中で、このような決定を行ったEUの政治家たちの功績を讃えるべきだと言う。
彼は、普段の活動の現場がドイツのポツダム気候影響研究所だということもあってか、スウェーデンのニュースにこのような形で出演することはこれまでそれほど多くなかったように思うが、母国の危機(!)に業を煮やして、苦言を呈することに専念することにしたのだろうか? 最近のスウェーデン政府につくづくがっかりしているのだろうけど、それで彼がもっとスウェーデンのニュースにも出演してくれるのなら大歓迎だな。
SVTはこのインタビューの後、ポルモクタリ気候環境大臣からもコメントを取ろうとしたが、彼女はその取材に応じていない。
スウェーデンは(というかスウェーデン政府に絶大な影響力を持つ極右政党のスウェーデン民主党は)、移民政策でもEUの取り組みにいちゃもんをつけようとしているのだが、こちらのニュースに関してはまた日を改めて取り上げることにします。