スウェーデン言語民族研究所は、スウェーデンの言語、方言や民族伝統、無形の文化遺産に関する知識の集積とその研究そしてその伝承を司る国家機関だ。
Institutet för språk och folkminnen - Institutet för språk och folkminnen
例えば今であれば、新型コロナウイルスによりスウェーデンで突然一般的にも使われ始めた言葉、「マスク」という言葉にまつわる考察などを発表している。
研究所はその他にも、パンデミックで日常生活はどう変わったか、どこに行ったか、誰と会ったか、どんな挨拶をしたか、などといった生活の細部を、言語と風習にまつわる切り口から調査を続けている。
またこのブログでもよく取り上げるスウェーデンの中央統計局(SCB)は、100のコミューンに住む12万人を対象に、パンデミックで生活がどう変わったか、またコミューンがとった対応策をどう評価するかに関する大規模な調査をまもなく開始する予定だ。
こちらは調査がまとまったらぜひ取り上げたいと思っているが、今日はまず、様々な機関の定例調査にも現れてきているコロナ禍による変化をいくつか紹介します。
アルコールの消費量
こちらは前にも一度取り上げたが(コロナの中でお酒を飲まなかった私たち?)、特にコロナよる大きな変化はないと分析されている。国営種類販売店のシステムボラーゲットでの販売は14%増えたが、同時にレストランやバーでの酒の販売が減っているし、デンマークやドイツまで出かけて購入していた個人輸入も減っていると考えられるため。
車の交通量
春に一気に減った車の交通量は、今コロナ禍以前のレベルまで戻ってきている。公共交通機関から車での通勤に変更した人は増えたが、車による長距離移動は減った。車の販売は全体としては減少しているが、夏休み前には中古車がよく売れた。
自転車
自転車の交通量は目に見えて増えた。販売は20%増加し、特に電動自転車が飛ぶように売れている。電動自転車のこの1年での販売量は10万台。自転車の修理の需要も増えた。
死者数
10月までの統計では、全国で65504名と昨年の59041名と比べて増加している。
結婚・離婚
結婚式は昨年比で22%減少した。5月に2千、6月に6千、7月に3千、8月には4千組の結婚式が延期・中止された。一方離婚した人は8月までの統計で15592組。2013年以来の記録的な数字となった。
不動産売買
増加傾向。パンデミックで時間的余裕ができ長年検討してきた不動産購入と真剣に取り組んだ人が増えたのでは、と分析されている。スコーネ地方の不動産価格は、全体としては6.6%上昇しており、一戸建てに至っては10.6%上昇した。
公共交通
スコーネではデンマークとの間も行き来するエーレスンド列車で乗客数は半減。スコーネ内のポガトーグと呼ばれる地域内列車は33%、市内・地域間バスでは38%乗客が減った。
小売販売
全体で15%減少した。そんな中でも好調だったのはドラッグストア、ネット販売、スーパーなど食品販売店。特に50歳以上の人のEコマースでの購入が5割以上伸びた(特に食品と薬品類)。ここから高齢者(Äldre)をもじってEコマース(E-handeln)ならぬ、Äコマース(Ä-handeln)という新語も(なんだか、かわいいですね、この言葉 ☺︎)。
支持政党
今年2月と10月のKantar Sifoの調査を比較すると、政府与党の社会民主党が23.6%から26.4%へ、また第一野党の穏健党も17.5%から20.6%へとともに支持率を大幅に伸ばした。一方、支持率の減少が目立ったのは極右政党のスウェーデン民主党(23.3%から20.2%へ)
飛行機利用
スウェーデンの各地の空港では1月から9月までの統計で2200万人の乗客減へ(72%減)。
動画ストリーミング
秋までに新規で70万世帯がストリーミングサービスを新規で契約した。
(最近こんな記事も書いたな。ストリーミングへのお金と時間の使い方)
図書館
全国で貸し出しの利用が増えている。
とここまで書いてきて、突然そういえばコロナになってから日記をまったく書いていないことを思い出した。今日から11月。ちょっと心機一転、三行日記をまたはじめようかな?