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通勤が減って二酸化炭素排出量も減っていたが、今はまた戻ってきた

知識と行動についてのラジオ番組の話の前に、もういくつか気になっている統計数字について書いておこう。

1つ目は、ストックホルム圏内では二酸化炭素排出量が減っており、それは人々の通勤が減ったからと伝える記事。ダーゲンス・ニュヘテルの依頼により携帯電話事業者のTeliaが行った新しい分析によると、ストックホルム市民の地域内移動による二酸化炭素排出量は、パンデミック前の2019年から21%減少しており、昨年は一人あたり平均0.45トンだった。算出に使われたのはストックホルム工科大学が開発したCeroモデルに基づく気候分析ツール。

これによるとパンデミックで通勤による移動が減少し、排出削減量はパリ協定の気候目標を上回ったが、現在は再び戻り始めていることがよく分かるのだそう。記事にはストックホルム広域圏内にあるコミューン別のこまかい数字が紹介されているが、移動手段別の統計をストックホルム圏全体でみると、移動の22%が徒歩、自転車が8%、公共交通機関が24%で、車での移動が46%となっている。二酸化炭素排出量では、徒歩と自転車が0%で、公共交通機関が8%、そして車が92%との内訳になる。

Teliaは自社の持つ携帯電話網から匿名化され集計化されたデータを使って、サンプルグループの移動手段と排出量の影響を計算し、そこから全体に当てはめることのできる統計を作っている。この統計は自治体が気候変動目標の達成に取り組む際の指標として使われることをめざしたもので、現在120の自治体、地域や企業が使用しており、自転車利用促進の問題点の改善、公共交通機関新ルート開発計画や電気自動車充電ステーションの整備など、具体的な取り組みに使用できる。

一人あたりの二酸化炭素排出量は広域圏全体では、2019年の0.57トンから0.45トンに減っているが、この数値は地域内移動の数値だけを見たものなので、一人あたりの二酸化炭素排出量に大きな影響を与える飛行機での移動などは入っていない。それについてはまた明日の記事で。

ストックホルムで排出量が減ったのは人々の通勤が減ったから(ダーゲンス・ニュヘテル)

© Hiromi Blomberg 2023