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映画『ブレイキング・ソーシャル』の波、始まる Breaking Social

以前ニュースレターで紹介した、フレドリック・ゲルテン監督によるドキュメンタリー作品『ブレイキング・ソーシャル (Breaking Social) 』のスウェーデンでの一般公開が始まっていて、昨日はルンドの映画館Kinoで、映画の上映とパネルディスカッションが行われた。

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映画を映画館で見てみんなで話し合ってほしい、と以前から話しているゲルテン監督の意向通り、彼は目下スウェーデンの映画館を回り同様の上映会とパネルディスカッションを精力的に実施している。

普段はなかなか満員にはならないKinoの大きい方の会場も、昨日の上映会では一枚の残席もなくチケットは売り切れ。あまりの反響の強さにKinoは9月18日にも同じような回を実施するので、機会のある人はぜひ。本日8月30日と9月14日にはマルメのPanoraで同じような会があるし、Panoraでは9月6日と9月24日には英語の字幕付き上映と監督Q&Aも行う。

(こちらは8月上旬に開催されたマルメ市の市長なども参加した特別上映会の様子)

(スウェーデンでの上映に関する情報はこちらにまとまっている。マルメ、ルンド以外でも好評上映中。BREAKING SOCIAL | Twitter, Instagram, Facebook | Linktree )

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昨日のパネルディスカッションに参加していたのは、ルンドに本部のある人権擁護NGOのIMの事務局長と、スウェーデンのペンクラブ役員で人権アクティビストのパルヴィン・アルダラン。イラン出身のアルダランは、活動が原因で投獄されたこともある、とエレガントに、にこやかに語っていたのが印象的だった。

会場から「スウェーデンの監督なのに、なぜスウェーデンで起こっていることは映画の中に入っていないのか」と質問されたゲルテン監督は「映画の中で取り上げたのはチリ、マルタ、アメリカなどの数ヶ国だが、取材はもっと多くの国で行っていた。大切なのは、国それぞれの特性ではなく、ここかしこにあるシステム化された超富裕層のパターンをあぶり出し、それが一般の人々をどう圧迫し、それに怒りを感じた人々がどのようにムーブメントを起こしていくことができるのか、その世界的な流れをみせること」と説明していた。私の聞き間違えではなければ、この映画は世界100カ国(だとしたらすごいな)、で上映されることが決まりつつある。

『ブレイキング・ソーシャル』のマーケティング活動のバッカーになったので、この春一般公開前に家でストリーミングで見る機会があったが、Kinoの大きなスクリーンで再び見る機会を得て、人々の力強さをもっと身近に感じ、この波を止めてはいけないと思いが強くなる。映画は

もしもあなたが怒っていないのだとしたら、それは注意力が足りないだけだ」とか、
世界を変えたいのなら、話を変える必要がある」、
人々が怒りはじめたら、変化はすでに起きている」、
敵がたくさんいるのなら、友だちがたくさん必要だ

などの力強い言葉で溢れている。そして、前見た時も思ったのだけど、日本では「知の巨人・プレグマン」などと呼ばれているルトガー・プレグマンが、この映画でほんまにええ味出している。日本での公開は決まったかどうか聞けなかったのだけど、斎藤幸平さんとかに真っ先に見てもらいたいですわ。

超富裕層についてフレドリック・ゲルテンは「彼らは国家を超越したところで存在している」(SVT)

© Hiromi Blomberg 2023