今日はフランスのマクロン大統領がルンドに来て学生たちにEUの未来についての講演と質疑応答をすることになっているのだけど、そのフランスでは目下、農民たちのトラクターデモが広がっている。
農民デモはフランスだけではなくポーランド、ルーマニア、オランダ、ドイツ、ベルギーなどでも広がっているが、なぜスウェーデンでは同様のデモがないかについて、また記事になっていた。
フランスで年金や失業などで大規模デモやストの嵐が吹いていた時になぜスウェーデンではストがないかについて同じような解説が出ていたのを、覚えている人もいるかもしれない。フランスは対比する例としてよくでてくるようだ。
フランスの農家はEUが南米からの輸入を制限しないことを批判し、ドイツでは農作業用車両の補助金の廃止への抗議があった。スウェーデンの農民組合LRFの委員長も、スウェーデンの農業従事者においても収益性の悪化や規制改正で状況は悪くなっているが、ここでは政府とは対立するのではなく、より建設的な議論の場があると説明する。
またスウェーデンでは農作物の価格が上がっても消費者はスウェーデン産の商品を選ぶ傾向が強く、食品の安全に関しての政治の側からのバックアップもある。スウェーデンでの農産物の生産量はこの先増加すると考えられている。
LRFはスウェーデンの農民たちは社会の中で信頼関係を結ぶという道を選んで来ており、フランスのような激しい抗議運動はその信頼関係に打撃を与えてしまう、と説明を続ける。
続くEU各国の農民抗議は政治的決定に影響を与えており、ドイツでは補助金が残されることになったし、フランスではディーゼル税の引き上げが取りやめになった。LRFも各国の農民たちの抗議はまだまだ続くだろうとみている。
マクロンはルンドになどに来て講演をしている場合ではないのかもしれないが、このイベントに興味のある方は以下を参照されたし。チケットはルンド大学の学生のみが買うことができ、昨日追加で販売された50席分も既に売り切れているようですが。
Studentafton with President Emmanuel Macron | Biljetter | Lund | Politik | Billetto — Sweden
ついでに言うと(?)今日はスウェーデン国王夫妻もルンドやマルメにやってきて国王はマクロン大統領とルンドのESSやアルファ・ラバルを訪問する予定なのだそう。そこではスウェーデンとフランスの間での原子力技術の研究協力に関する意向の調印式が行われるとなっている。私は心配するべきだろうか?