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アビスコの「北極を感じる」アートが気になる Sensing the Arctic

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スウェーデンの最高峰キブネカイセの溶けていく氷河にカバーをかけてみたり、気候問題を話し合うための黄金に輝く卵型のサウナ、ソーラーエッグを作ったりと、気候危機問題にとことんコミットしているアーティストデュオ、ビルゲー&ベリストローム(Birgert & Bergström) が、今度はスウェーデン最北の地にある国立公園の拠点アビスコに、「北極を感じる(Sensing the Arctic)」インスタレーションを完成させた。

アビスコのツーリストステーションの近くの永久凍土の上に設置されたこのアート作品は、気候変動をどう私たちの身体的な体験として感じるための取り組み。このプロジェクトは、ツーリストステーションとアビスコにある自然体験館に加えて、ウメオ大学気候影響研究センターがアーティスト・デュオと共同事業として実現させたもので、気候変動が生態系にどのように影響を与え、それが気球規模の気候システムとどう結びついてるかを考えるためにつくられた。

ビルゲー&ベリストロームは、科学者が温暖化する気候のシュミレートに使用する、オープン型温室に着想を得て、独自の造形作品を作った。訪問者は木製の遊歩道を歩いてこのインスタレーションに近づく。ガラス破片の彫刻で形作られた5つのトップが開放された温室は、ガラスの角度を変えることで内部の温度を様々に上昇させることができる。

科学者たちは内部の温度を1度から3度あげることで、温室内の植生や土壌が周囲と比べてどのように変化するかを調べるために使っているが、ビルゲー&ベリストロームのインスタレーションでは、さらに温度を上げて、さまざまな温暖化シナリオをシュミレーションする予定なのだとか。

夏はトレッキング、冬はスキーとオーロラで人気のアビスコは、きっと今頃は紅葉が美しい頃。またアビスコに行かないといけない理由が増えたよ。

そう言えば「この先きっと実現するのでは?」との噂を聞いた、かれらのソーラーエッグの日本行きはどうなったのかな?

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優れたアート作品は説明できないということを彼らは証明する(アフトンブラーデット)

アーティスト・デュオが温暖化と永久凍土をテーマに作品を制作(ダーゲンス・ニュヘテル)

Sensing the Arctic | Bigert & Bergström

© Hiromi Blomberg 2023