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スウェーデンの夫婦別姓

スウェーデンでは1983年までは結婚した女性は夫の名前を名乗るのが一般的だったが、その後名前に関する新しい法律ができ、夫婦の名字として、夫か妻かどちらかの姓を選べるようになった。

しかし妻の名字を選ぶ夫婦は稀で、名前の研究者カタリーナ・ライブリングさんが1985年から2020年までの統計を分析したところ、この割合はわずかに2%程度。この間にほんのわずかに増加したにすぎない。夫の名字があまりにもよくあるもので、妻の名字がそれほど平凡なものではない場合、この選択をした夫婦を私は2,3組知っている。

そして1985年以降着実に増えたのが、夫婦別姓。2020年に初めて、両者とも姓を変更しないという形が一番多くなり、これが44%。夫婦ともに夫の姓を名乗るカップルは、同年33%だった。

そして結婚を機に全く新しい名字を決めて、二人で名乗る形も少しずつだが増えている。

私は結婚式ならぬ「家族結成式」にでたことがあって、それは友人のカロリーナとダニエルが、共に「森(スコッグ)」という名字を選んで家族になるので、庭にその象徴的となる樹をみんなで植えたというすてきな式だったのだけど、スウェーデンではこんな風に名字を選ぶことがができるのも驚きだった。

ちなみにこのカロリーナはその後、環境大臣になった人で、彼女のことを書いたニュースレターもあるので、よろしければどうぞ。

swelog.theletter.jp

結婚した時に名字を変えない理由は、運転免許証やパスポートなどの変更手続きが面倒、初婚年齢も上がっており社会に各自の名前が定着している、もしくは愛着があるなどいろいろ。そしてスウェーデンでは家族ではあっても、わざわざ結婚しない事実婚(サンボ)ファミリーも多いので、そうすると家族になる時に名字を変える女性の割合は、33%よりももっともっと少ないはずである。

言語コラム・夫の姓を名乗ることを拒否する人が増えている(ダーゲンス・ニュヘテル)

© Hiromi Blomberg 2023