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「給与はそのままで週4日だけ働く」をやってみたら

「うまくいかないほうがおかしい」のである。

人気のサステナブルなリュックのメーカーSandqvistは、今年の2月のスポーツ休暇以降週休3日制になった。週に働くのは4日だけだが、給与は以前のまま。すばらしい。

CEOのカロリン・リンドさんは「実施までには長い間考えたが、会社の価値観に合っていると思った」といい、パンデミックの影響が収まってきた時に株主や経営幹部にこの話を持ちかけた。週休3日に関しては昨年も英国などで大規模な調査が行われ、参加した企業と従業員にはポジティブな結果をもたらしていた。

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昨年の11月から具体的なプランニングに着手したSandqvistでは、リスクアセスメントに2ヶ月を要した。従業員全員が働き方を変えるので、そのやり方や起こり得る不都合やリスクを多方面から考えるのに時間をかけた。導入された新ルールは月曜日か金曜日のどちらかを休日にするというもの。

試用期間として半年たったが、社員は自分や家族のために使える時間が増えたことで、仕事へのモチベーションがさらに高まることを実感している。また経営陣から信頼されているというものポジティブだ。週休3日制の導入にあたり、全員が働き方を効率化するトレーニングを受けた。計画の立て方や具体的なタスクの実行方法、会議の時間短縮の方法など、仕事の流れをよりスムーズにするもので、また優先順位をつけることが1日、そして週に4日だけで仕事を回していくにあたりとても重要になる。社員たちはおたがいの予定表を確認できるようになり、集中して仕事をする必要のある場合は「集中タイム」を予定として組み込むようになった。パンデミックからあるリモートワークで集中して働くことで、会社にいる時には同僚と話したり調整したりにストレスなく時間を使えるという声も多い。

社内はともかくとして、取引先たちの反応が不安だという声もあったが、今のところ理解を示してくれているし問題はないようだ。

この試みは社員だけでなく、経営陣からも高く評価されていて、当初半年間だったお試し期間をこの先さらに6ヶ月間延長することが決まった。社員たちは週休3日になったことで、ストレスが以前より増えたとも減ったとも感じておらず、試みは機能しており持続可能であると考えている人が多い。

記事は、導入を提案したリンドCEOの「他社が追随するかどうかは、これからわかるでしょう」とのコメントで結ばれていた。しびれるな。

週に4日だけ働き、給与は全額支給「うまくいかないほうがおかしい」(ダーゲンス・ニュヘテル)

© Hiromi Blomberg 2023