長い間、経営危機に陥っていたSAS・スカンジナビア航空だが、この度エールフランス-KLMオランダ航空が大株主になることが決まり、同時に株式の上場廃止が発表された。新しいSASの株主はエアーフランス-KLM(19%)の他に、デンマーク国(25.8%)、資産運用会社のCastlelake(32%)とデンマークの投資会社のLind Invest(9%、カッコ内の数字はこれからの所有株式の割合)で、巨大投資会社のスウェーデンのヴァレンベリ・インベストメントや、21.8%の株式を所有していたスウェーデン国は、この枠組みから外れることになった。この先SASはディニッシュ航空とかに改名すると、なんだかおいしそうだと顧客が増えるかもしれない(はは)。
航空業界アナリストは、アメリカの投資会社などに買われたり売られたりするよりは、エアーフランス-KLMは自社サービスと統合させ、長期的に安定した経営をめざすだろうから、このような結果になったのはSASの将来にとって、とてもいい話だと解説する。
これがいい話ではないのは、SASの株式を保有していた約25万人の小口株主で、この人たちはすべてを失う。SASの経営陣は株式所有が無駄になるリスクのあることを数度にわたり警告しており、騙したわけではないと説明するが、SASが破産するかもしれないという危機にあっても、まさにアメリカの投資会社に買われるなどの展開で、一攫千金の機会があるかもとこの後に及んでも新規にSAS株を購入していた人たちもおり、この人たちはそんなうまい話はないのだと高い勉強代を払うことになった。小口株主はスウェーデンにも13万7000人いた。
株は所有してなかったが、スカンジナビア航空を使っている人はもっとたくさんいる。そんな人たちの間で気になるのは、マイレッジのボーナスプログラムだ。
SASはエアーフランス-KLM連合に移行しても、SASのユーロボーナスの特典を失うことはないと説明しているが、だいたいこの先飛行機の利用は減らすべきなのだからもうそろそろマイレッジボーナスの仕組みとか、これを機会にやめたらどうだろう。フランスは国内短距離飛行も禁止したくらいだから、やるとしたら、世界で先陣を切るのは、きっとエアーフランス−KLM−SAS連合だと思うんだけど。
エアーフランス-KLMがSASの大株主に「よいニュースだ」(ダーゲンス・ニュヘテル)