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気候環境大臣が人気のインフルエンサーを批判して炎上

金曜日のダーゲンス・インダストリで公開されたロング・インタビューで、気候環境大臣のロミーナ・ポルモクタリが、人気絶大のインフルエンサーのビアンカ・イングロッソを名指しで批判したことから、ちょっとした騒ぎが沸き起こっている。
「全員に好きになってもらう必要はない」と題されたこのインタビューで、ポルモクタリ大臣は、「インフルエンサーは(気候変動問題に関して)望ましくないライフスタイルを助長する」として、ビアンカ・イングロッソの名前をあげて批判した。

ポルモクタリ大臣はすべてのインフルエンサーが問題ではないが、ファッション関係の会社を経営し関与しているイングロッソのライフスタイルには問題があり、すべての人が彼女にように暮らし始めたらという考えは恐ろしいものであると話した。また大臣は、インスタグラムで138万人のフォロワーを持ち、テレビ番組も持つビアンカ・イングロッソに対し、自身のプラットフォームと権力を利用して、気候問題に影響をおよぼすような方向の転換を求めた。

ビアンカ・イングロッソは今のところこの批判に答えていないが、アフトンボラーデットのコラムニストは、気候環境大臣はいつから責任をビアンカ・イングロッソに負わせるようになったのかと書き、ダーゲンス・ニュヘテルは署名入り社説で「大臣はビアンカに説教する前に、自分のいる省庁を再編成することから始めるべきだ」と手厳しい見解を掲載した。

ポルモクタリが約1年前に気候環境大臣になってから、スウェーデンは取り組みが始まって以来初めて、気候温暖化ガス排出量を増加させ、研究者たちはこのままではスウェーデンは2030年の気候目標を達成できないと警告している。それにスウェーデンは環境省を廃止して、歴代の環境大臣が抗議の声明を出すという自体にもなっている。

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元記事であるダーゲンス・インダストリのインタビューで、ポウモクタリ大臣は、この1年を総括し「誰も彼もが彼女のやることなすことすべてを非難し、やったことすべてが間違っていると考えている」と話した。

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ポウモクタリはまだ27歳。これだけ非難され続けても、耐えれるだけのなにか強い芯を持つ人であることは間違いないと思うのだけど、彼女は一体なにのために、誰を代表して、闘っているのだろうか?

気候環境大臣がビアンカ・イングロッソを批判「ライフスタイルに問題がある」(SVT)

いつから我々は、大臣よりもビアンカ・イングロッソに責任を押し付けるようになったのか?(アフトンボラーデット)

スザンヌ・ニュストロム社説記事・ビアンカ・イングロッソを攻撃する前に気候大臣は省内の手綱を引くべき(ダーゲンス・ニュヘテル)

© Hiromi Blomberg 2023