テロの脅威が高まっているので注意せよ、というならわかる。スウェーデンでは去年の夏以降ずっとそうだ。(テロ警戒レベル4とは? - swelog )
「戦争に備えよ」というのはちょっと違う。この言葉を受け止める私の方は、戦争はどんな時にも回避する努力を続けるべきと考えているが、「備えよ」という側には戦争をするという意志があると感じるからだろう。
この発言の主はカール・オスカル・ボリーン市民防衛大臣で、彼は「スウェーデンで戦争が起こる可能性があり、国民全員が国のリジリエンス強化のために行動しなければならない」と言った。戦争の可能性について言及したのはボリーン大臣だけでなく、ミカエル・ビデーン国防軍最高司令官も同様で、彼は「スウェーデン国民は事態の深刻さを理解し、一人一人が備える必要がある」、そして「私たちは精神的に戦争に備える必要がある」と述べている。
一昨日の彼らの発言は、広範囲からの批判を受け、昨日は子ども戦争が起こるのではと不安で眠れなかったという子どもたちへのインタビューも流されていた。子どもたちはスウェーデンがいかに戦争に備えるべきかを伝えるTikTokの動画を見て不安をつのらせている。
これらの発言に対してロシアからはスウェーデンはパラノイアだという声が、フィンランドからは、フィンランドでは考え難い発言という声が聞こえてくる。ダーゲンス・ニュヘテルのコラムニストが「意識の軍事化」という言葉を使っていたのがしっくりくる。注意しないといけないのは「意識の軍事化」はあっという間に進んでしまうもののようだということか。
発言の後、スウェーデンの子どもの多くが戦争を恐れる(SVT)
解説・スウェーデン政府と国防軍最高司令官が戦争の可能性について警告する理由(SVT)
ヨーラン・グレイデールのコラム・ミカエル・ビデーンは戦争を望んでいると大声ではもちろん言えない(ダーゲンス・ニュヘテル)