ノーベル賞がスウェーデン社会へ与えてきた影響は、案外大きいのかもしれないと、昨日のノーベル賞授賞式と晩餐会の様子をちらちらとテレビで眺めながら思った。
いうまでもなく、科学や文学や平和への努力をノーベル賞はずっと称えてきた。スウェーデンで育った子どもたちは、小学校で授賞式や晩餐会の真似事をし、テレビやニュースサイトでは受賞者たちの業績や人となりを紹介する番組や記事も数多く紹介される。
残念ながら科学や文学や平和への努力は、最近、大切に扱われていないと感じる場面も多いし、またこのような大きなお祝いの席はテロの脅威と紙一重で運営されているに違いなく、そうであれば豪華なフラワーアレンジメントや、着飾った人々、そして手の込んだ食事も、一層なんだか尊いもののように思え、これからもずっと続いてくれよと願う。
今年は女性の受賞者が3人もいたのがよかったし、ストックホルムのgastrologigを惜しまれながらも閉め、来年からハルムスタ近郊に新しいレストランをオープンするヤコブ・ホルムストロムのお料理が本当にすてきだった。
(こちらの動画で、こんなに手の込んだお料理をどうやって作るが紹介されているので、よかったらどうぞ。1人分つくった後、ヤコブが「あと1349人分作ります」と冗談をいう☺︎)。
オスロでの平和賞のセレモニーも今年は特別だった。イランで人権のために闘い投獄されているナルゲス・モハマディさんのお子さんたちが、無事にオスロに来てメダルを受けとった。私は今年始めて訪れてわかった、オスロの市庁舎の、あのなんというか平たくて温かい開放感もよく伝わってきた。
さて、私は今年の晩餐会の料理を再現したものを食べにいくべきなのだろうか、それともヤコブ・ホルストロムの新しいレストランの予約がとれるかを調べるべきなのだろうか?