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スウェーデンのフォンド運用会社が、長引く労使闘争にテスラ株の売却も検討

長引くテスラでのストライキに、テスラに大型投資を行っているスウェーデンのフォンド運用会社数社は今の状況に進展がみられなければ、この春の株主総会で従業員の団結権を認めるよう要求する計画をしている。またそれが認められない場合は、テスラの持ち株を売却することも視野に入れているという。

20億クローナ(約282億円)相当のテスラ株を所有している年金運用会社AMFは、2023年3月にはテスラの経営陣に書簡を送り、テスラが米国の労働法に違反しないよう要求したが、今日に至るまで回答を受けていない。今年の年次総会では、他の北欧やアメリカの投資運用会社と共同でテスラに要求を提出予定だ。

国民の基礎年金を扱い、これまでGoogleなどにも意見を言ってきたAP7フォンドは、90億クローナ(約1280億円)のテスラ株を所有しているが、この春の総会では、ニューヨーク州と共にテスラが従業員に対して行ったとされるハラスメントによる、数多くの労働法上の抵触に関する議案を提出する予定だ。

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今の長引くストライキでスウェーデンでは注目が集まっているが、労使間の紛争はテスラにとっては特別なものではなく、米国ではテスラは2015年以降労働法に関わるものだけで240回以上訴えられている、とSVTのこのニュースは伝える。

株式売却を検討するAMFの運用責任者は、長引く労使間の紛争は長期的な収益にとってよい影響を与えるものではないし、組織化の権利など、テスラがILO(国連の国際労働機関)の条約のどれかに違反していることがはっきりすれば、テスラの株を持ち続けることはできなくなるだろうと考える。労使間の協調で高い生産性を達成してきたスウェーデンモデルをテスラがレスペクトしないのならば、長期的には企業経営にはよい影響を与えないだろうとみる。

膠着しているスウェーデン(はい、国全体だ!)とテスラの闘争は、株主総会前後で、なんらかの動きがあるのかもと、去年の株主総会は5月に行われたのだな、と検索していたら、最新の決算を受けてはやくもテスラ株の下落が始まっているよう?

minkabu.jp

スウェーデンの投資運営会社はテスラでの紛争に辟易「株を売却する可能性もある」(SVT)

© Hiromi Blomberg 2023