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妊婦とトレーニング

スウェーデンでも運動は妊婦や胎児にとって有害であるという俗説がまだまだ根強いそうで、この度これを覆す、妊婦とトレーニングに関する新しい教科書がまとめられ出版された。本は助産師や理学療法士になるために勉強をしている人向けのもの。

1980年代には妊婦に推奨される運動は非常に限定的だったが、その後多くの研究がなされ、他に合併症のない場合、妊婦が運動することで尿もれ、妊娠糖尿病、肥満などを予防できることがわかった。

本は世界保健機構(WHO)とスウェーデンの公衆衛生庁の新しいガイドラインに沿っており、妊婦にも基本的に一般の成人と同じ量の運動が推奨されている。これは週に中程度の運動を150分(または高程度の運動75分)と、週に2回程度の筋力トレーニングというものだ。

自身でジムを経営するフェットネスのプロ、アンナさんにとっては妊娠がわかった時も筋トレを続けるのは当たり前のことだったが、その時の様子をSNSでシェアしたところ「ベビー・キラー、赤ちゃんを殺す気か」などのヘイトコメントが殺到した。

アンナさんには妊娠中も運動することは非常に重要で、トレーニングにより気分がよくなり、筋力が落ちることも防げたと話す。第一子の時にネガティブなコメントがきた経験から第二子の時にはトレーニングのことを書くのを少しためらったが、他の妊婦の人たちのことも思い、勇気をもって投稿を続けたという。

妊婦の運動は自身の体調に合わせて行うべきだが、公衆衛生庁の指針は妊娠前に運動不足であった妊婦も、推奨レベルの週に150分の中程度の運動量を達成するまで徐々に運動量を増やすことを勧めている。

この指針は65歳以上の高齢者にもほぼ同じくらい(高齢者の場合は加えて週3回のバランストレーニングが加わる)の運動を勧めているのだけれど、これって結構ずっと体動かしているって感じの量だな。

妊娠と運動に関する古い俗説を破る新たな研究結果(SVT)

妊娠中も筋トレを続けたアンナさん「ベビーキラー」と揶揄される(SVT)

© Hiromi Blomberg 2023