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3兆円緊急経済支援のインパクト

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昨日スウェーデン政府が発表した一番大きな政治的決定は、3000億クローナの緊急経済支援予算だ。

日常の数百クローナ程度はいちいち日本円に換算しなくても肌感覚でわかるが、ニュースで300ビリヤーデル・クローナ(ビリヤーデルは英語のビリオンと同じ100万の一つ上の単位)と言われても、すぐにはどれくらいの額のお金なのかがピンとこない。

この政府決定に、野党も経済界の団体側からも好意的なコメントが続くのをみながら、あわてて円換算してみたらなんと3.2兆円規模の緊急予算だった。兆単位のお金にもちろん肌感覚はないが、大きく思い切った額だということはわかる。スウェーデンと日本の2020年、一年間の国家予算を調べてみたら、それぞれ、約12.3兆円超、102.7兆円で、やはり3.2兆円はすごい額であることがわかる。

経済支援対策を発表したマグダレーナ・アンダーソン財務大臣は、今、スウェーデン政府の財政状況はよいのでこの追加費用も決定できたと説明していた。

最近は地方自治体が責任をもつ医療や福祉の予算が減らされるニュースばかりが目についたけれど、緊急時に対応する財政的底力がこの国にはあったのか、と驚いた

この支援策で捻出された予算は、従業員の病気休暇や一時的解雇で企業側で増える負担を政府が代わりに支払うこと、また企業に法人税や付加価値税の支払いの1年先送りを認めることで減る税収入を肩代わりすることなどに使われる。

一方で、毎日の客からの収入でキャッシュフローを回していた飲食業やホテル業は、一昨日のスカンジナビア航空の1万人の一時解雇、昨日のフェリー大手のステナ・ラインの950名の解雇の例と同様、厳しい状況に直面している。

昨日の夕方聴いていたラジオのニュースでインタビューに答えていた地方ホテルの経営者は「政府の緊急措置はいいと思います。でもそれが私のところにはいつやってくるのか、今日も客はこないけれど、取引先からの請求書は送られてくる。私がこれを払わないと負の連鎖が起こるが、銀行は……」といいかけたところで号泣してしまった。

昨日は、また、公衆衛生庁が70歳以上の高齢者はスーパーでの買い物なども含め、外出を控えること、またストックホルム圏では可能な人はすべて在宅勤務するように要請を出した日となったが、これを反映してか、数多くの小規模のイベントの休止のお知らせが私にも届き始めた。

この先、社会の経済活動がどれだけ収縮して、3兆円もの額のお金がどのくらいの期間「もつ」ものなのか検討もつかないけれど、まずは今日も手洗いに注意し、体を動かし健康的に過ごすことに注力することにします。

経済界に政府から3000億クローナの緊急支援措置決定